Jリーグ限定!伊東純也の「後継者」として名乗りを上げるべき快足の5名

14日(木)に最新の日本代表メンバーが発表されたが、そこに伊東純也(スタッド・ランス)の名前はなかった。

伊東はアジアカップ期間中に報道された私生活のトラブルにより、大会中にチームを離脱。今回動向が注目されたが、森保一監督は「彼を守るため」として伊東を選出しなかった。

日本代表の近年の躍進は伊東によるものも大きい。伝統的に足元の上手い選手は多い日本だが、彼のように独力で突破できる選手はあまりいなかった。伊東が縦に引っ張ってくれることで幅をとることができ、相乗効果で他の選手たちも活かされていたのだ。

今後が気になるところだが、伊東も9日に31歳となった。自身は昨年「(衰えは)全然まだまだ大丈夫」と話していたものの、衰えやトラブル云々とは別にそろそろ次の世代も考えなければならない時期だろう。

そこで今回は、伊東純也の後継者として名乗りを上げてほしいJリーグのスピードスターたちを紹介しよう。

松村優太

所属:鹿島アントラーズ
年齢:22

Jリーグの高速ドリブラーといえばすぐに名前が浮かぶのが松村優太であろう。

名門・静岡学園の「10番」を背負い、高校3年生の時に出場した高校サッカー選手権で母校を24年ぶりとなる全国制覇に導いた逸材は、2020年に鳴り物入りで鹿島アントラーズ入りした。

超高速と言われるドリブルとスピードが武器でかつては「和製アザール」とも言われたが、縦への力強い突破力があり、クラブでも五輪世代の代表でも基本的に右サイドで起用されている。

今年がプロ入り5年目。4年間は途中出場ばかりだがそろそろ殻を破り、代表への階段を一気に駆け上がりたい。

平河悠

所属:町田ゼルビア
年齢:23

平河は今、Jリーグで「最もホットな町田」において「最もホットな選手」の一人と言えるだろう。

山梨学院大学時代に急成長したスピードスターは昨年J2で34試合5得点4アシストを記録し、町田のJ1昇格に大きく貢献。今季も開幕3試合無敗のチームで中心として大活躍している。

短い距離でトップスピードに到達する加速力、加速してもボールコントロールが乱れない技術は一級品。黒田剛監督は「左サイドのほうが得意」と今季は左サイドで起用しているが、昨季は右サイドでの起用が多かった。

自身は「右サイドでも左サイドでも自分の武器を出しながらプレーできれば」と特にサイドへのこだわりはないようだが、右サイドについては「伊東純也選手みたいなことができれば一番理想」とQolyのインタビューで語っている。

藤井智也

所属:鹿島アントラーズ
年齢:25

松村と同じ鹿島アントラーズに所属する藤井は、もともと“伊東純也の後継者候補”の筆頭だった。

立命館大学から2021年にサンフレッチェ広島へ加入し、1年目から両ワイドのポジションで活躍。特に右サイドに固定された2年目は、圧巻のスピードがウサイン・ボルトと比較されて話題に。スプリント回数も毎週のようにリーグトップを記録した。

その活躍ぶりから日本代表入りは近いかと思われたのだが、夏頃から突然不振に陥り控えに降格。翌年には鹿島への移籍が発表され、ファンたちを驚かせた。

鹿島でもなかなかブレイクできていないがポテンシャルに疑いの余地はない。単調に陥りがちなプレーと決定力を改善させ、代表入りを掴みたい。

松尾佑介

所属:浦和レッズ
年齢:26

右サイドの経験は浅いが、脚力であれば彼も引けを取らない。

仙台大学から2020年に横浜FC入りし「左サイドの快足アタッカー」として注目を集めた松尾は、2022年に下部組織で育った浦和レッズに移籍。浦和ではFWでも起用され、ACLで9試合6得点を記録して決勝進出の立役者となった。

その活躍もあり、2023年1月にはベルギー1部のウェステルローへ。攻撃面で重要な役割を担ったものの「得点」という目に見えた結果を残せずに今年浦和に復帰している。

浦和では中島翔哉、安部裕葵など同じ海外帰りで左サイドを得意とする選手が揃っており、松尾はペア=マティアス・ヘグモ新監督のもと右サイドで試されている。まだまだフィットしていないが、彼が右サイドで機能するようなら浦和も代表争いも面白くなりそうだ。

久保藤次郎

所属:名古屋グランパス
年齢:24

無得点での開幕3連敗と最悪のスタートを切った名古屋グランパスだが、選手の質はやはり高い。久保藤次郎もその一人だ。

愛知生まれのアタッカーは、中京大学から2022年にJ3の藤枝MYFCに加入。初年度に30試合10得点を記録してJ2昇格に貢献すると、2年目もJ2で27試合5得点と活躍、シーズン途中にJ1の名古屋へ移籍した。

武器は、圧倒的な運動量とスピードを生かした縦へのドリブル突破。加えてシュートの精度も高く決定力がある。

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中学時代は名古屋の下部組織に所属したが、ユースの入団テストには二度落選。その経験から「練習では人より努力してきた」といい、高校、大学、プロを経て憧れだった名古屋への帰還を果たした。

鈴木優磨(鹿島アントラーズ)の実兄で神奈川大学時代に伊東純也とプレーした鈴木翔大(鹿児島ユナイテッド)は、「プロの世界に入ってどれだけ伸びていけるか」が何より重要でその部分で伊東はすごかったと語っている。

そういう意味では挫折を糧にJ3、J2、J1へと一気に駆け上がった久保藤次郎の成長力は目を見張るものがあり、今後の活躍により一層注目したい。

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