旧大社駅、純和風の屋根あらわ 「次に見られるのは50年、100年後」 ふき替えの様子公開 島根県出雲市

JR旧大社駅で瓦のふき替え作業を進める作業員=出雲市大社町北荒木

 保存修理工事が進む国の重要文化財・JR旧大社駅(島根県出雲市大社町北荒木)の屋根のふき替えの様子が13日、報道陣に公開された。約1万2千枚の瓦を敷き詰める作業中で、純和風の屋根の形を間近で見ることができる。24日午前10時~午後3時に見学会を開き、広く一般に公開する。

 屋根はヒノキやマツの下地に雨漏り対策として長さ30センチ、厚さ3ミリの杉板をずらしながら重ね、その上に瓦を土で固定。約7千枚は修理前の瓦を再利用し、残りは建設当初の瓦を参考に新しく作った。今秋にはふき替えが完了する予定。

 市文化財課の吾郷誠主幹(45)は「次に見られるのは50年、100年後になる。またとない機会なので、ぜひ間近で見ていただきたい」と話し、見学会への参加を呼びかけた。問い合わせは同課、電話0853(21)6893。

 駅舎は木造桟瓦ぶき平屋(建築面積約441平方メートル、高さ10メートル)で1924年に完成。90年3月末の大社線の廃止まで、出雲大社参拝の玄関口として活用された。保存修理工事は2020年12月から25年12月までの予定で、総事業費は約11億円。重要文化財に指定された駅舎は他に、門司港駅(福岡県)と東京駅(東京都)しかない。

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