クイーン アンド ジャック(Queen&Jack)の2024年秋冬コレクションが、2024年3月14日(木)に渋谷ヒカリエにて発表された。
イタリア南部世界遺産の街、マテーラでの記憶を着想源に
今季のクイーンアンドジャックは、イタリア南部世界遺産の街、マテーラで見聞きし、食した記憶が着想源。マテーラには、幾重にも重なるようにして岩山を削って造った洞窟住居や洞窟レストランが点在する。そんな、クラシックさとモダンさが融合した、歴史ある街のユニークで幻想的な光景を、ブランドが得意とするスクール・スタイルにのせていく。
なお今季は、新たにデザイナーに就任した富塚尚樹によるファーストコレクションとなる。
“制服”をキーワードに
コレクションには、“制服”という枠組みの中、スクールをモードへというコンセプトに沿うルックが登場。制服の定番スタイル、セーラー服を特徴づけるセーラーカラーは、ジャケットやロングコートなどにオン。チェック柄が目を引く、袖をレザーで切り替えたロングコートには、袖と同じくレザー素材のセーラーカラーを配した。
またもともと軍服を起源としているPコートは、その原点に立ち返るかのようにミリタリー要素を強めているのが特徴。カーキにゴールドのボタン、ウエストには太めのベルトを配し、厳格で重厚な空気感をもたらした。
イタリアの高級素材×チェック柄
スクール・スタイルに欠かせないチェック柄にも注目したい。ツイードやウールにのせて、コレクションを華やぎをプラスした。たとえば、厚みのあるシャギービーバーの2層構造のスカートにはライトブルーをベースとしたチェック柄をあしらっている。またペプラムを配したかのようなブレザーも展開され、そこへあしらわれたチェック柄がどこかポップささえ感じさせた。
ちなみに、チェック柄というと英国が有名だが、今回はイタリア・マテーラが着想源であること、またロロ・ピアーナ(Loro Piana)やカルロ・バルベラ(CARLO BARBERA)といった、メイド・イン・イタリーの高級素材を採用していることから、どこか英国らしいチェック柄とは一味違った印象に仕上げたかったと飯塚は語る。
マテーラの石畳をキルティングで表現
マテーラで歩いた石畳は、キルティングで表現。淡いブルーのキルティングに花の刺繍が施され、ふんわりとした裾とパフスリーブが印象的なドレスやジャケットとなって展開された。
りんごをモチーフに
さて、マテーラで食べたものすらもインスピレーション源となった今季のクイーン アンド ジャック。果たしてどのように表現されたのか、それはラストルックを見れば明らかとなる。マテーラのとある日、りんごのデザートを食べたことから、モデルに王林を迎え、りんごをモチーフにしたルックを作り上げたのだ。肩は焼きりんご風に、また首元にはりんごの皮を表すリボンを添え、“りんご尽くし”の1着に仕上げた。