土徳感じるカフェ 南砺・城端別院の道場改修、15日開業 民藝品や作家のショップも

研修道場を改修したカフェでくつろぐ住民=南砺市城端

 南砺市の城端別院善徳寺の研修道場を改修して昨年12月にオープンしたホテル「善徳寺杜人舎(もりとしゃ)」にカフェとショップが完成し14日、地元向けに披露された。築60年の木造建築の重厚さとぬくもりが生かされた店内で、市民が飲み物と城端の菓子を楽しんだ。ショップでは地元作家の器やグラス、民藝作家の器を展示販売する。15日に開業し、客が砺波地方の「土徳(どとく)(人を育む土地の精神風土)」を感じてもらえる店を目指す。

 一般社団法人富山県西部観光社「水と匠」(高岡市)の関連会社「水と匠」が運営する。カフェは道場1階に厨房を整備し、講堂や和室を客席として活用した。

 道場は民藝運動の創始者柳宗悦(やなぎむねよし)の弟子である立山町出身の建築家安川慶一(1902~1979年)が設計しており、カフェには民藝品が飾られた。

 14日はコーヒーや棒茶と、城端の和洋菓子を入れた袋が1セット200円で提供された。城端の山本みゆきさん(64)は「研修道場は来たことのない市民も多いので人気が出ると思う」と話した。同所の永井節子さん(64)は「多くの人がカフェに訪れ、城端の宝である善徳寺を知ってもらえればうれしい」と期待した。

 15日からはコーヒーや棒茶に加え、茶に使われる利賀産の香木「クロモジ」のチャイ(ミルクティー)が提供される。飲み物は600円で、地元店の和洋菓子セット(千円)を販売する。4月中旬から軽食も始める。ホテルは15日から個人客の宿泊の受け入れも開始する。

 杜人舎担当の伊豆牧子さんは「本堂の法話や地元作家の陶芸見学を組み合わせ、城端ににぎわいをつくりたい」と意欲を見せた。

民藝品の器が展示販売されるショップ

© 株式会社北國新聞社