「これから忙しくなる」 県内の宿泊施設、敦賀延伸控え予約続々

宿泊客に対応する従業員=富山市内のホテル

  ●応援割は「満員」

 「北陸応援割」開始や北陸新幹線敦賀開業を16日に控え、富山県内の宿泊施設の予約が好調だ。県内では8日に応援割の受け付けが始まり、14日時点で対象施設の4割が割引の配分予算額に達したものの、各施設で宿泊申し込みや問い合わせが続いている。関係者は4月の立山黒部アルペンルート営業開始も見据え、「これから忙しくなる」と観光客を迎える準備を進めている。

 オークスカナルパークホテル富山(富山市)は13日に応援割の販売を停止したが、その後も予約は入り続け、3、4月の週末はほぼ満室となった。新幹線開業日の16日も予約で埋まり、担当者は「4月中旬から大型連休までかなり好調だ」と声を弾ませた。

 ANAクラウンプラザホテル富山(同市)によると、16日は9割が予約で埋まり、土曜の23、30日は満室に。担当者は「立山黒部アルペンルートの営業が始まれば、さらに忙しくなりそうだ」と話した。

 庄川温泉郷の旅館「三楽園」は3、4月の宿泊客を約2400人と見込む。社長で富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合の坂井彦就理事長によると、施設での応援割の販売終了後に予約を入れた客もいたといい、「本当に応援したいという強い気持ちを感じた」と感謝する。

 県によると、14日午後5時時点で対象の254施設のうち107施設が応援割の販売を終了した。

 黒部市宇奈月温泉旅館協同組合の濱田政利理事長は「これを起爆剤に、みんなで北陸へ行こうというムードが高まればいい」と期待を込めた。ただ、応援割は自身が営む旅館「延楽」をはじめ、多くの宿泊施設で予約枠が埋まった。それでも問い合わせが相次ぎ、濱田理事長は「予算枠が少なすぎた。今後、反動で観光客の動きが止まらないか心配だ」と話した。

  ●飲食店「効果見えず」

 一方、富山市内の飲食店には「延伸効果」は見られない。富山市桜木町の割烹「十々八(ととや)」の北小路一博社長は、まだ大きな宴会の予約は少ないとし、応援割や新幹線延伸について「効果は見えない」と語った。

 桜木町地区振興事業協同組合の澤田悦守理事長は「富山に観光客が来ることは間違いない。この機会に飲食需要が回復してくれればいい」と期待した。

© 株式会社北國新聞社