県内中学で卒業式 被災の氷見・西條も

卒業生を代表して答辞を述べる高島さん=氷見市西條中

  ●復興へいつか誰かを支えられる人に

 富山県内の中学校76校と義務教育学校3校で14日、一斉に卒業式が行われた。能登半島地震で被害の大きかった氷見市の西條中では、高島琉士さんが答辞で「支えられたことに感謝し、少しでも誰かを支える人間に成長できるよう努力する」と述べ、卒業生が復旧途中で迎えた門出を喜び、未来に向かって頑張ることを誓った。

 高島さんは、輪島市や珠洲市、能登町では今でも避難生活を送っているとした上で、「私たちは多くの人に助けられた。全国からの励まし、地域の『頑張れ』『応援しとるよ』という言葉はどれも力になるものばかりだった」と振り返った。

 光安敦子校長が111人に卒業証書を手渡した。式辞では時折声を詰まらせながら、元日の地震に触れて未来にも予測不能な困難が待っているとして、「夢や目標を持ち続け、仲間とともに諦めることなく力強くたくましく歩んでほしい」とエールを送った。在校生代表の井上拓己さんが送辞を述べた。

 在校生や保護者が卒業生を見送り、大きな拍手が送られた。西川瑛太さんは「自分も支援できる人になりたい。将来は教師を目指す」と語った。奥村華光さんは「地震で地域との関わりの大切さを感じた。これからもつながりを大事にしたい」と力を込めた。

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