北電25年ぶりベア 9500円引き上げで妥結

  ●要求上回る

 北陸電力は14日、今春闘で、労働組合の要求を上回る月例賃金9500円の引き上げで妥結したと発表した。ベースアップ(ベア)は25年ぶり。物価高が続く中、賃上げの流れなどを受けた形となる。年間賞与(ボーナス)は月給4.3カ月分とした。組合側は月9千円のベア、ボーナス4.3カ月分を求めていた。

 前年度のボーナスは3.3カ月分に5万円を加えて支給した。初任給は3年ぶりに引き上げ1万円増とする。

 2024年3月期の連結業績予想は700億円の経常黒字を見込む一方、能登半島地震で被災した設備の復旧費が見通せず、最終損益を未定としている。

 北電は「電力の安定供給を継続するため、人材の安定的確保や定着を目的に若年層の賃金改善を重視した」としている。ボーナスの水準については地震の復旧作業などに当たる従業員のモチベーション向上の観点などから判断したという。

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