「エコホーム支援事業」でお得に注文住宅が建てられる?対象や注意点

リフォームや空気清浄機能・換気機能付きエアコンが対象になることも

住宅を新築したりリフォームしたりする際には、一定の条件を満たすと国や自治体から補助金や助成金を受け取ることができます。

国土交通省住宅局の「令和4年度(2022年度)住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅、分譲戸建住宅、分譲集合住宅ともに世帯主の年齢は30歳代が最も多異結果になりました。

購入資金は土地を購入した注文住宅新築世帯で平均5436万円、建て替え世帯で平均4487万円、分譲戸建住宅と分譲集合住宅の取得世帯でそれぞれ4214万円、5279万円となっています。

したがってたとえ住宅ローンを利用したとしても、30歳代で必要な住宅資金を用意することは決して簡単なことではありません。

そのため補助金や助成金は、助かる存在といえるでしょう。

本記事では、子育て世帯や若者夫婦世帯による「高い省エネ性能を有する新築住宅の取得」や「住宅の省エネリフォーム」等に対して補助金が交付される「子育てエコホーム支援事業」について紹介したいと思います。

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「子育てエコホーム支援事業」とは?

「子育てエコホーム支援事業」とは政府が目標としている2050年にカーボンニュートラル(地球上の温室効果ガスの排出量と吸収量・除去量を均衡させること)の実現を図ることを目的として、子育て世帯、若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、世帯を問わず住宅の省エネ改修等を行う場合に、所定の補助金が交付される事業のことをいいます。

注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入、およびリフォームが補助金交付申請の対象となり、それぞれ対象要件の詳細や申請手続きの詳細が定められています。

また新築住宅の取得では、補助金交付の対象者をエネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯とすることで、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを図ることが見込まれています。

子育てエコホーム支援事業と支援策

子育てエコホーム支援事業は現金が付与されると共に、併用可能な支援策があります。

住宅取得に使える4つの支援策

子育てエコホーム支援事業は現金が付与される

子育てエコホーム支援事業では、ポイントやクーポン券ではなく現金(補助金)が付与されます。

新築の場合には、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に長期優良住宅は最大100万円/戸、ZEH住宅(省エネ住宅)は80万円/戸の補助があります。

リフォームの場合には子育て世帯、若者夫婦世帯を対象に原則上限30万円の補助を受けることができます。(子育て世帯、若者夫婦世帯でない場合は原則上限20万円の補助)

尚、ここでの子育て世帯とは、申請時点において2005年4月2日以降に出生した子(2024年3月末までに工事着工する場合においては2004年4月2日以降に出生した子)を有する世帯のことをいいます。

また、若者夫婦世帯とは申請時点において夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯(2024年3月末までに工事着工する場合においては1982年4月2日以降に生まれた世帯)のことをいいます。

子育て世帯と若者夫婦世帯の定義

リフォームでは屋根、外壁、開口部などの断熱改修やエコ住宅設備の設置のほか、それらと同時に行う空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置やバリアフリー改修などが補助金の対象となります。

住宅ローン減税で13年間の税額控除を受けられる

子育て世帯、若者夫婦世帯は住宅ローン残高の0.7%を原則13年間、所得税額と住民税額の一部から税額控除され、さらに住宅の省エネ性能等に応じて控除額が上乗せされます。

贈与税非課税枠は最大1000万円

親や祖父母等から資金贈与を受けて住宅の取得等をした場合には、最大1000万円までの贈与が非課税となります。

フラット35の金利を最大年1.0%引き下げ

子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、住宅金融支援機構が提供するフラット35の金利を一定期間最大年1.0%引き下げられます。

エコな暮らしで子育てをサポートする住宅取得の支援制度に関しては、詳しくは下記を参照してください。

子育てエコホーム支援事業の注意点

前述したいずれの支援策にもそれぞれ工事の着手時期や申請時期、入居時期、贈与を受ける時期などに期限があるので注意が必要です。

尚、過去の補助金施策の傾向を見ると他の地方公共団体の補助制度と併せて補助を受けることができるものの、予算がなくなり次第終了となります。

したがって締切日前に予算が上限に達して終了となることが多いので、補助金を活用したい場合には早めに申請することが大切です。

そして子育てエコホーム支援事業はあらかじめ事務局に登録された住宅省エネ支援事業者(建築事業者、販売事業者、施工業者)の申請手続きに基づき補助を行う事業です。

つまり、住宅取得者やリフォーム工事の発注者は、契約を締結した事業者を通じて補助金の申請を行う必要があります。

したがって消費者が自ら申請するものではないので要注意です。

また登録されていない業者に工事を依頼しても補助金を受けることはできません。

さらに補助金は直接施主の口座に振り込まれるわけではなく、国から一度住宅省エネ支援事業者の口座に入金されます。

そして施主は業者から補助金分の還元・値引きを受けるようになります。

まとめにかえて

住宅は何度も建て直しができるものではないので、決して妥協して費用を安くすれば良いものではありません。

特に子育て世帯や若者夫婦世帯では家計の負担を少しでも減らすために、国や自治体の補助金制度を積極的に活用したいものです。

本記事では国の「子育てエコホーム支援事業」を紹介いたしましたので、これからマイホームの取得やリフォームを検討している方に参考にしていただければ幸いです。

参考資料

  • 国土交通省住宅局「令和4年度(2022年度)住宅市場動向調査報告書」
  • 子育てエコホーム支援事業
  • 国土交通省「エコな暮らしで子育てサポート!!」
  • 子育てエコホーム支援事業「注文住宅の新築」

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