「楽器足りない」部員急増で新入生の分ピンチ 神奈川・葉山中の吹奏楽部、定演で募金活動も

20日の定期演奏会に向け、練習に熱が入る葉山中学校の吹奏楽部=11日、葉山町堀内の同校

 神奈川県葉山町立葉山中学校(同町堀内)の吹奏楽部が、家庭で眠っている楽器の提供を求めている。人気の高まりから部員が急増し、4月の新入生の楽器が足りない恐れが出ている。今月20日の定期演奏会では保護者らが楽器の購入や修理のための募金協力を呼びかけ、練習に励む子どもたちを支援する。

 同部は、昨年8月の県吹奏楽コンクール中学生の部B部門で金賞を受賞した。15年ぶり2度目の出場で、金賞は葉山町では初めて。

 現在の部員は1年生25人、2年生13人、3年生6人の計44人。年々増加し、4月以降は多くの新入生が入部してくる可能性が高い。しかし、新入部員が使える楽器は、貸与を含めこれまでに提供してもらった6点を加えても12点しかないという。

 高価な楽器を部員自身が用意するのは負担が重く、大半の部員は学校の楽器を使っている。中には音が出にくかったり、凹凸になったりしている楽器もあり、修理が必要という。顧問を務めて3年目の松平早季教諭は「楽器の質が演奏にも影響する。上達しているだけに、きちんとした楽器を用意して実力を高めたい」と願っている。

 20日には町福祉文化会館大ホールで初めての定期演奏会を開催する。入場無料。午後2時15分開演。同コンクール演奏曲のサンサーンス「動物の謝肉祭」など10曲以上を演奏する。受付の隣では、保護者有志が募金(1口千円)への協力を呼びかける。

 部長を務める2年の生徒(14)は「とても楽しい部なので、ぜひ新入生にも入ってほしい。そのためにも楽器を用意したい」と話している。楽器の種類は問わないという。

 問い合わせは、同校電話046(875)1346。

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