「奈良工芸の粋」展開幕 奈良で3月18日まで作家52人の作品1000点

各分野で活躍する作家の作品が並ぶ「奈良工芸の粋」展=14日、奈良市水門町の依水園

 奈良を代表する工芸作家の作品を一堂に展示する第8回「奈良工芸の粋」展(奈良新聞社主催、奈良県後援、大和農園グループ特別協賛)が14日、奈良市水門町の名勝依水園・寧楽美術館で始まった。18日まで。

 陶芸、染織、漆芸、木工、一刀彫、竹工、人形、ガラス、刀剣、茶釜、金工、錫(すず)、面皮細工の13部門の作家52人の作品約1000点を展示、販売する。

 園内の主屋に設けられた5室の特設ギャラリーでは、酒器や茶器、食卓の器、盆、花器、装飾品、人形など、作家ごとに作品を展示。工芸作品を日々の暮らしに取り入れてもらおうと手の届く価格で販売している。奈良市の岡本邦雄さん(80)は「庭もきれいで心が落ち着きます」などと話していた。外国人観光客も観覧を楽しみ、何点か購入する姿が見られた。

 特設ギャラリーの一部ではチャリティーオークションを実施。売上金の一部を県共同募金会に寄託し能登半島地震への義援金として寄付する。

 特別企画として園内併設の寧楽美術館では、2023年に亡くなった重要無形文化財保持者(人間国宝)の漆芸作家、北村昭斎さんをしのび追悼展示を行う。

 午前9時30分~午後4時開館。最終日は午後3時まで。依水園入園料(寧楽美術館入館料含む)一般1200円。

 また、期間中にはギャラリートークも開催。15日は陶芸家の脇田宗孝さん、16日は一刀彫作家の荒木義人さん。各日とも午前11時~午後1時、参加費5000円(昼食付・税込み)。各先着20人。申し込みは、奈良新聞社企画部「奈良工芸の粋」展係、電話0742(32)2112。空きがあれば当日受け付けも可。

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