訂正・イチローの偉業から30年…日本プロ野球で次のシーズン200安打達成者は誰だ?

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1994年、イチローが史上初の200安打達成

最多安打が連盟表彰の正式なタイトルとして認定されたのは、今から30年前の1994年だった。愛工大名電高から1991年ドラフト4位でオリックス入りした鈴木一朗が、仰木彬監督の発案で「イチロー」に登録名を変えた年でもあった。

プロ3年目、細身の左打者は「振り子打法」で開幕から安打を量産し、5月から日本プロ野球新記録となる69試合連続出塁をマーク。9月11日に藤村富美男(阪神)が1950年に記録した191安打のシーズン最多記録に並ぶと、9月20日のロッテ戦で前人未到の200安打を達成した。

同年は210安打まで数字を伸ばし、打率4割には届かなかったもののパ・リーグ新記録の打率.385をマーク。最多安打がタイトルとして認定され、最高出塁率や史上最年少のシーズンMVPにも輝いた。

イチローは翌年以降も通算7年連続で首位打者に輝き、2000年には.387をマークして自身の持つパ・リーグ最高打率も更新したが、日本では200安打に到達していない。

2005年に青木宣親(ヤクルト)が202安打、2007年にアレックス・ラミレス(ヤクルト)が204安打、2010年にマット・マートン(阪神)が214安打、青木宣親が209安打、西岡剛(ロッテ)が206安打、2015年に秋山翔吾(西武)が216安打を放って日本記録を更新したものの、その後8年間は200安打に到達した選手は皆無だ。

近年は全体的に投手がレベルアップしていることもあり、200安打は達成困難な壁となっている。2023年の最多安打は、セ・リーグが中野拓夢(阪神)と牧秀悟(DeNA)の164安打、パ・リーグは柳田悠岐(ソフトバンク)の163安打だった。次期達成者候補は誰だろうか。

近本光司、岡林勇希、中野拓夢ら候補?

日本記録保持者の秋山翔吾(広島)も今年36歳。昨季は115試合に出場して119安打どまりで、現実的には厳しいと見られる。

実績では2度の最多安打に輝いた柳田悠岐も期待されるが今年36歳、同じく2度の最多安打に輝いた大島洋平(中日)も今年39歳で、多くを期待するのは酷だろう。

条件としてはバットに当てるのがうまい巧打者で、内野安打の可能性も高い俊足の左打者、打順が多く巡ってきて敬遠四球も少ない1、2番打者といったところか。

ある程度の実績を持ち、条件に当てはまる選手を探すと、2021年に178安打でタイトルを獲得した近本光司(阪神)、2022年に161安打でタイトルに輝いた岡林勇希(中日)、先述の中野拓夢(阪神)あたりが浮上する。

もちろん、30年前のイチローのように突如として新星が出現する可能性もある。いずれにしても200安打を達成する、あるいは近付くだけでもファンの関心を引くことは間違いない。2024年シーズン、9年ぶり8回目の偉業達成の瞬間は訪れるだろうか。

※過去の200安打達成者に西岡剛選手が入っておりませんでした。お詫びして訂正いたします。3月15日10時00分



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