大阪府和泉市/北部総合スポーツセンター、24年度から基本構想検討

大阪府和泉市は、旧泉北水道企業団跡地(小野町)を候補にスポーツ施設の整備を検討する。市の北部地域には運動ができるグラウンドがなく、身近にスポーツを行える環境を整備する。2024年度当初予算案には債務負担行為(25年度まで)を設定し、基本構想策定費2000万円を計上した。スポーツ施設の利用状況などを踏まえ、導入機能や事業手法などを検討する。順調にいけば27年度から具体的な計画づくりを進め、30年度の着工を目指す。
市では当初、信太山丘陵の市有地に北部地域に不足しているスポーツ・レクリエーション施設の整備を検討したが、自然環境の保全と市民の財産として活用することが決まった。その後、昨年3月に改定した「生涯学習・スポーツ推進計画」でスポーツ施設の候補地と整備内容の検討を重点項目に掲げた。
同計画策定時に実施したアンケート結果では「施設がある場所が不便」の回答が最も多く、市域にスポーツ施設を均等に配置するため、新たに「(仮称)北部総合スポーツセンター」の整備を検討する。
旧泉北水道企業団跡地は全体で約15・7ヘクタール。国から約12ヘクタールを借地し、残りを同市と泉大津市、高石市が共有する。大阪市の野外活動センターなど他の候補地も検討したが、無償貸し付けが可能な同跡地を候補地にした。
基本構想策定業務では市内のスポーツ施設の利用状況や社会情勢を踏まえた必要な施設の洗い出し、類似施設の事例分析などを実施した上で、敷地の条件や基本方針、導入機能、ゾーニング、スケジュールを含む事業手法を検討する。概算建設費も試算する。業務委託期間は25年8月までを予定し、入札で業務委託先を決める。
構想案策定後、市議会での意見聴取やパブリックコメント手続きなどを経て正式に決定する。
25年度は3市で既存施設の撤去に向けた調整などを行い、26年度に各市の費用負担で同跡地を原状回復させる。
同市では、老朽化が進む市民体育館(府中町)の建て替えも計画し、幸団地と北部総合福祉会館の敷地(同)を移転先の候補地にしている。

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