中国の国防費に日本が衝撃―仏メディア

13日、仏RFIは、中国の今年の国防予算が日本の国家予算の30%に相当する額に上ると報じた。

2024年3月13日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは「日本に衝撃」と題し、中国の今年の国防予算が日本の国家予算の30%に相当する額に上ると報じた。

記事は、今月5日に開かれた中国全国人民代表大会(全人代)会議で今年の国防予算案が前年比7.2%増の1兆6655億元(約34兆円)で過去最多となり、3年連続で増加ペースが7%を超えることが明らかになったと紹介。日本の2024年度防衛予算の4.4倍、国家予算の30%に相当する額であることから「日本はこの数字に驚愕している」とし、林芳正官房長官が「中国は透明性が不十分な状況で広範かつ迅速に軍事力を拡大している」と強い警戒感を示したと伝えた。

その上で、中国は現在軍事力において日本をどんどん置き去りにしていると指摘。日本の自衛隊員が23年度時点で23万5110人であるのに対し、中国軍は約8.3倍の200万人を超えているとしたほか、中国は強力な核攻撃能力を持ち、核戦略ミサイル潜水艦と500発以上の核弾頭も持つ一方で、日本は陸上大陸間弾道ミサイルICBM、戦略原潜、戦略爆撃機、核弾頭を保有していないと紹介した。

また、中国の陸軍兵力は日本の陸上自衛隊の約6.1倍、戦車保有台数は約5800両と日本の9倍であり、中国海軍も東シナ海、北シナ海、南シナ海の3つの艦隊からなり、排水量6万トン以上の中・大型空母を3隻保有し、425隻ほどの艦艇数を持つのに対し、日本の海上自衛隊はは正式な空母を持たず、全種類の艦艇の合計も138隻程度と中国のおよそ3分の1にとどまっているとした。

また、米軍の格付け機関「グローバル・ファイヤーパワー」による22年の軍事力ランキングによると、中国の軍用機は3285機で日本の約2.3倍、第4.5世代、第5世代戦闘機数は約4倍となっているほか、H-6K、H-6Nといった中・長距離戦略爆撃機は数百機に上り、日本は1機も同等の爆撃機を所有していないと紹介している。

記事は、岸田文雄首相昨年11月にフィリピンを訪問した際、日本政府の高官が「日本はもはや中国と一対一で対抗できる能力を持っておらず、他国との同盟や協力が重要だ」との見解を示したと紹介。日本政府は今年11月の米大統領選挙でトランプ氏が当選した場合、防衛同盟の約束を米国が履行しないのではないかと懸念しており、中国の軍事費増加は日本の神経を一層刺激しているのだと解説した。(翻訳・編集/川尻)

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