低予算コスプレYouTuberの「変な家」パロディに反響 ホラー作家 雨穴のヒット作

ホラー作家の雨穴(うけつ)さんが自身のYouTubeチャンネルで公開した動画「【不動産ミステリー】変な家」。現在までに1700万回以上再生されています。

2021年には書籍化、2024年3月15日からは映画『変な家』が公開と、メディアを横断し注目を集めています。

そんな中、チャンネル登録者数80.4万人の低予算コスプレ系YouTuber・終わった人さんが、“察しの悪い”雨穴さんに扮して「変な家」のパロディ動画を投稿。

終わった人さん自身も想定外のヒットとなった動画をご紹介します。

正体不明のオカルトホラー作家・雨穴

雨穴さんは、Webメディア「オモコロ」でも活躍するライター/ホラー小説家。自身のYouTubeチャンネルは、登録者数116万人の人気を誇ります。

顔や声を一切公開しておらず、目と口に穴の開いた白い仮面に肌の見えない真っ黒な衣装が特徴。

「オモコロ」では「肉をベランダに干す」「皮膚おりがみ」といった、どこか不気味な雰囲気が漂いつつ、読み手を引き込むような記事を執筆しています(外部リンク)。

その中でも人気を集めているのが、「変な家」をはじめとする、雨穴さんのもとによせられた物件、映像などに感じられる違和感を解き明かしていく物語調の記事です。

再生回数1700万回超え、雨穴の「変な家」動画

「変な家」は「オモコロ」で2020年に公開したミステリー記事であり、後に雨穴さんのYouTubeチャンネルで同名の動画が投稿されました。

ストーリーは、雨穴さんのもとに寄せられた物件に関する相談から始まります。

物件に存在する謎の空間や窓のない子供部屋といった違和感を巡り、雨穴さんとオカルトマニアの設計士・Kさん(栗原さん)が推理、浮かび上がってきたのは恐ろしいストーリーで......というもの。

短編小説風の記事はファンを中心に大反響。動画版は、薄暗い部屋や、雨穴さんの絶妙な語り口調、そして明らかに異質なビジュアルの雨穴さん自身が、ストーリーをより一層引き立たせ、多くの人に視聴されました。

2021年には、6万字の加筆を経て書籍化。飛鳥新社から出版され、2024年3月15日には、小説を原作とした映画『変な家』が公開されます。

YouTuber「終わった人」の雨穴パロディ動画

そんな雨穴さんの「変な家」が現在、予想外の形で注目を集めています。

それが、強烈なメイクと自作の衣装でモノマネをしながらネタ系の動画を投稿するYouTuber・終わった人さんの動画「【変な家】察しの悪い雨穴」です。

動画では雨穴さんの「変な家」同様、届いた物件の間取りについて考察していきます。

本来なら設計士・栗原さんとともに鋭い視点で違和感の正体に迫っていきますが、こちらの察しの悪い雨穴さんは、丸出しの違和感をスルー。斜め上の推理を披露します。

雨穴さんの人気に加え、劇場版の公開が迫る注目度もあってか、動画投稿から1週間が経過した時点で再生回数は140万回を突破。

肝心のモノマネは、雨穴さんの黒い衣装や特徴的なお面を再現しつつも、手指や横顔は露出。しかしながら、秘匿された雨穴さんや栗原さんの声を、シンプルに声の高さを変えてその場で演じ切っています。

また「ここからは私の推理にはなってしまうのですが…」と、実際の栗原さんと似た台詞回しを披露するなど、コメディに徹しつつも細部にこだわりの見える、終わった人さんらしい絶妙な仕上がりとなっています。

動画のコメント欄では、シンプルな装いの雨穴さんと思いのほか似ているのではないかという声も上がっていました。

さらには絶妙な偽物具合と、本来の雨穴さんではありえないような突飛なコミカルな動きが視聴者にヒットしたのか、「察しの悪い雨穴」のファンアートも制作されています。

終わった人さんは動画公開時点で、自身のXにおいて「もう元ネタを知ってる一部の人が楽しんでくれれば良いと思って作った動画」とコメントしており、予想外のヒットだったようです。

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