テニス賭博に関する不正行為でクロアチア人審判に5年半の資格停止処分と罰金が科される!<SMASH>

テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」は現地13日、クロアチア人審判員マルコ・ストヤノビッチをテニス腐敗防止プログラムの違反により5年6カ月の資格停止処分と2万5000ドル(約375万円)のを科したことを発表した。

ITIAによると、ITF(国際テニス連盟)によるクロアチア国内で開催されるトーナメントの審判員を務めたストヤノビッチは、テニス賭博を容易にするために審判を務めた試合のデータを意図的に操作。これに関して本人は、調査関係者に15個のテニス腐敗防止プログラム違反を犯したことを認めた。

ただストヤノビッチは、ITIAの調査に全面的に協力し、独立した汚職防止聴聞官によるヒアリングを受ける権利を放棄して制裁を受け入れたため、2万5000ドルの罰金のうち、1万8750ドル(約281万円)は執行猶予とした。

資格停止期間は2024年2月19日に開始され、同29年8月18日の午前0時に終了となる。資格停止期間中ストヤノビッチは、ITF、ATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、テニス・オーストラリア、フランステニス連盟、ウインブルドン、全米テニス協会が公認または公認するテニスイベントでの審判とイベントへの出席が禁止される。
スポーツベッティング(スポーツの試合を対象とした賭博行為)の世界的な規模拡大に伴い、後を絶たない関係者による不正行為。テニス界でも監視体制の強化しており、昨年4月にはドミニカ共和国の国際審判員ファビアン・カレロが八百長の罪で永久的な資格停止とテニス界から追放された。

また昨年11月にはスロベニアの審判員マルコ・デュックマンが試合データを不正に操作。7万5000ドル(約1125万円)の罰金と10年6カ月の資格停止処分か科せられている。

現在はこうしたテニス賭博に関する不正のほか、賭けの対象になっている選手たちへの誹謗中傷も問題になっている。その内容には殺人予告ともとれるような悪質なものも数多く含まれており、テニス関係者の不正行為の防止策と同様に厳しく取り締まるべきとの声も多く聞かれる。

構成●スマッシュ編集部

© 日本スポーツ企画出版社