ロッテ・小島和哉「しっかりとした状態で迎えたい」3.29の開幕に向け準備着々

「ぼちぼちですね」。

3月29日に本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われる日本ハムとの開幕戦の先発が内定しているロッテ・小島和哉は、開幕に向けて現在の状態をこのように表した。

小島は昨季3年連続規定投球回に到達し、2年ぶりに2桁10勝をマーク。勝利しなければCSが出場できないという大事な一戦となった10月10日の4位・楽天戦の先発を任され、7回無失点に抑え10勝目を手にすると、クライマックス・シリーズでも1勝1敗で迎えたソフトバンクとのファーストステージ第3戦に先発し、6回1/3を投げ無失点と、絶対に負けられない一戦で再び好投した。最終盤での働きは素晴らしいものがあった。

このオフは「体を大きくすることと、出力という部分で、基本的には体力強化することと、和田さんのところに行って体幹、お腹周りの使い方の仕方を教わりました」と、ソフトバンク・和田毅の自主トレに参加し、多くのことを学んだ。

昨年は6・7月の2カ月は7試合・38回2/3を投げ、0勝2敗、防御率6.98と苦しみ、同年の秋季練習では「今年(2023年)の取り組みとして、去年、一昨年も夏場に悪い時にガンとなってしまうので、そこを改善しようと思って色々取り組みを変えたりして臨んだんですけど、それがあまりうまくいかなかった。改善の余地があるというか、また色々試してになると思うんですけど、(秋季練習時点で)その辺を今ちょっとどうしようかなと色々考えています」と話していたが、「ここ2、3年くらいはそこを意識して取り組んだんですけど、あまり良くなくて、そこら辺も和田さんといろいろ相談していて、色々準備、練習の量を聞けたので試してみてやってみようかなと思います」と自主トレ期間中に和田からアドバイスをもらった。

春季キャンプが始まってからは、「1球1球の精度だったり、変化球だったらフォークを練習しています。落ち具合を確認しています」とフォークの精度を強化。昨季もフォークを投げていたが、「握りもちょっと自主トレでソフトバンクの藤井に教えてもらって握りとかも聞きました。スピードを去年よりも出したかったので、それでこうした方がスピードが出やすいという感覚を教えてもらいました」と、和田と行った自主トレ期間中にソフトバンク・藤井皓哉からフォークについて助言をもらったそうだ。

また、「一個一個の精度ですけど、右バッターに打たれるケースが多かったので、右バッターで使えるように、カットボールを2種類。いつものやつと去年左バッターに投げていた。速めのカットボールを練習しています」とカットボールの種類を増やす考えでいた。実戦が始まってからも右のインコースに食い込むカットボールを投げ込んでいる。

2月24日の韓国・ロッテとの練習試合で今季初実戦マウンドに上がり2回・無失点に抑えると、3月2日の西武とのプレシーズンマッチでは、「チェンジアップは感覚が良いので、投げなくてもいい感じというのと、チェンジアップに頼らないような組み立てを練習ではしていきたいと思います」と、武器であるチェンジアップをほとんど投げずに3回を無失点。

3月8日のソフトバンクとのオープン戦では4回・72球を投げ、6安打、5奪三振、3失点だった。

3月29日の開幕まで2週間――。「しっかりとした状態で迎えたいですし、まだまだなので1日1日しっかり練習して、はい」と小島。まずは2週間後の開幕戦で、チームの2024年初勝利を導くため最高の準備を進めていく。

取材・文=岩下雄太

© 株式会社シーソーゲーム