新エネ車衰退論に中国メディア反論=「事実ではない」

月14日、中国経済網は西側諸国で電気自動車(EV)開発ペースの見直しが取り沙汰される中で「新エネ車の発展を引き続き拡大することのメリット」について論じた記事を掲載した。

2024年3月14日、中国経済網は西側諸国で電気自動車(EV)開発ペースの見直しが取り沙汰される中で「新エネ車の発展を引き続き拡大することのメリット」について論じた記事を掲載した。

記事は、メルセデス・ベンツが2030年までの完全なEV化を断念し、化石燃料車の開発と技術革新に引き続き取り組む方針を示したほか、アップルもEVの中止を発表したと紹介。これに先立ってアウディも完全EV計画をスローダウンさせ、トヨタがこれまでに何度かEVに未来はないとの見方を示してきたことから、業界や消費者の間では今、多くの人が再びEVを主とする新エネ車産業の衰えを指摘し始めたと伝えた。

その上で「これは事実ではない。戦略的な観点から見れば、中国が新エネ車を精力的に開発しているのは、決して流れに身を任せているわけではなく、熟慮に熟慮を重ねた積極的な選択なのだ」としその根拠を説明。まず、習近平総書記が「新エネ車の発展は、中国の自動車大国から自動車強国へと向かうために必ず通る道」と述べたように、技術、資本の集約度が高く、産業チェーンが長いという特徴を持つ自動車産業で優位に立つことが、中国の国際的な競争力を高め、質の高い経済発展を実現する上での必然的な要件なのだと論じた。

また、中国の年間石油消費量は7億トンを超え、そのうち5億トンは輸入に依存しており、長年にわたり石油の対外依存度が70%以上を維持し、エネルギー安全保障における最大のボトルネックになっていると指摘。中国の石油利用の70%を占める交通分野において速やかな「脱石油」の促進が求められる中で、EVに代表される新エネ車の開発は重要な選択肢なのだとした。

さらに、中国ではここ数年、交通分野が最大の二酸化炭素排出源となっており、石油の代わりに電気の普及を加速させることは極めて急務だと説明。「EVは石炭由来の電力を使っていて、環境に優しくない」という見方は一面的であり、中国では昨年の段階で再生可能エネルギー発電量が社会全体の電力消費量の約3分の1に達しており、今後ますますクリーンなエネルギーが新エネ車の動力源になると紹介した。

記事は、世界の自動車産業の発展の歴史を鑑みれば、技術の進歩は必然的に産業の変革をもたらし、より先進的で、より環境にやさしく、より経済的で、より使いやすい技術が求められる流れは特定の個人や国によって阻害されないことが分かると指摘。石油から電気に置き換わる過程において、自動車産業は高価格、不十分な充電設備、低温下での深刻なバッテリー劣化など、自らの問題を十分に直視し、技術革新によって最適化して、性能を向上させ続ける努力が必要だとした。(翻訳・編集/川尻)

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