運転免許証の性別、男女以外不可 米アーカンソー州で「X」廃止

アーカンソー州のサラ・サンダース知事=2023年2月、リトルロック(AP=共同)

 【ワシントン共同】米メディアによると、保守色が強い南部アーカンソー州は14日、州発行の運転免許証や身分証明書の性別欄で、2010年から認めてきた男性でも女性でもない項目「X」の廃止を決めた。男女の枠にとらわれない認識を持つ人々は「Xジェンダー」と呼ばれる。

 米国では性の多様性に対する理解が広がる一方、保守的な州で反発が続いている。性的少数者の権利は、11月の大統領選でも争点の一つになりそうだ。

 サンダース州知事(共和党)は声明で「性別は二つしかない」と強調。「X」は「ナンセンスで、私が知事である限り支持しない」と表明した。

 今後は男性か女性を選択しなければならなくなる。人権団体は、Xジェンダーの存在を「抹消しようとするものだ」と州を批判している。

 AP通信によると、50州のうち少なくとも22州と首都ワシントンが運転免許証や身分証明書で「X」を認めている。

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