【バレーボール】セリエAミラノの石川祐希、ペルージャ移籍が決定的に

ペルージャへの移籍が決定的となった石川祐希(左)とアグスティン・ロセル(アルゼンチン)=2023年12月4日、モンツァで(写真:PA Images/アフロ)

バレーボール男子のイタリアリーグ・セリエAでミラノに所属する日本代表エースの石川祐希が来季(2024-2025)から、同じセリエAの強豪ペルージャに移籍することが決定的となった。現所属先であるミラノのフサロ会長が2024年3月13日、現地での記者会見で、石川の放出を事実上認める発言をし、さらに翌14日にはペルージャの地元紙が石川の経歴付きで「契約は締結された」などと伝えた。

ミラノのフサロ会長「石川らのオファーを承知」と発言

セリエA最終節、移籍が決定的となったペルージャと対戦、3-2で競り勝って喜ぶフサロ会長(右)と石川祐希=2024年3月3日、ミラノのアリアンツ・クラウド・アリーナで(写真:PA Images/アフロ)

ミラノのフサロ会長は今年に入ってから移籍情報が絶えず飛び交っていたOH(アウトサイドヒッター)石川とMB(ミドルブロッカー)アグスティン・ロセル(アルゼンチン)について、現地メディアの質問に答える形で、「私は、この2人がミラノを去ることを選択した場合の幸運を祈りますし、彼らを守り、人として、選手として成長を遂げた我々のような環境を他の場所で見つけられることを願っています」と語った。

移籍先の言及は避けたが、「彼らが特定のチームから経済的条件のいいオファーを受けていることは承知しており、我々は誰に対しても、オークション(競り)を行うつもりはありません。(中略)より多くの収入を得るという正当な希望を阻止しようとすることは彼らに対して不公平です」とも語り、石川とロセルの今季限りの退団を事実上、認める発言をした。

ペルージャの地元紙「契約は締結」

一方、ペルージャの地元紙は「新体制が完成」の見出しとともに、ペルージャの絶対的エースであるポーランド代表のウィルフレド・レオンが来季からトルコリーグへ移籍する代わりに、石川が加入して穴を埋めることになったなどと伝えた。石川のプレー写真や経歴とともに大々的に報じられた。地元紙はミラノの石川とロセルが2人ともペルージャに移籍するとしている。

石川は3月3日、セリエAレギュラーシーズン最終節で移籍が取りざたされていたペルージャとの試合後、Pen&Sportsの現地での取材に対し、「自分からは何も話すことはありません」と話すにとどめていた。

世界王者ペルージャに加入へ

28歳の石川は中央大学1年時に短期留学したモデナを振り出しに、ラティーナ、シエナ、パドヴァそして在籍4年目になるミラノとイタリアのチームを渡り歩いてきた。イタリアは今季で9シーズン目。ペルージャへの移籍が正式に決まれば6チーム目となる。

石川の移籍先となるペルージャは2023年12月にインド・バンガロールであったFIVB世界クラブ男子選手権で2連覇するなどイタリア・セリエAのみならず世界王者のクラブチームとして知られている。

ペルージャ(Perugia) 首都ローマから北へ約135キロにある、人口17万人の中部イタリアの都市。元サッカー日本代表の中田英寿さんがセリエA時代のペルージャ(現セリエCのペルージャ・カルチョ)に在籍して活躍していた1998年〜2000年には、日本人も多く観戦に訪れた。世界的に知られるチョコレート”BACI”(バッチ)を製造するペルジーナ社が本拠を置くことから、チョコレートで有名。毎年10月にはユーロ・チョコレートフェスティバルが開催される。ローマから鉄道で2時間20分、フェレンツェからは1時間40分。

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