県「フルーツ・ステーション」関連予算案を撤回 きょう、県議会に修正案

山形県議会(資料写真)

 県産果樹情報発信拠点「フルーツ・ステーション」関連事業費を計上した2024年度一般会計当初予算案が県議会農林水産常任委員会で否決されたことを受け、県は14日、県議会に予算案の撤回を申し出た。県は事業費4854万円を削除した修正案を15日の本会議に提案する予定で、可決される見通し。

 予算案撤回は、この事業で県議会最大会派・自民党から反発を受けた2022年2月定例会に続き2度目。自民は、関連事業費を除いた修正予算案を15日の本会議に諮り、可決される見込みだった。これに対し、施設整備に意欲を示していた吉村美栄子知事は、自民案の審議やり直しを求める「再議」に付すとみられていた。

 県は寒河江市内へのフルーツ・ステーション設置と、県内各地に拠点整備を促した上でのネットワーク化を目指し、24年度予算案に事業費4854万円を計上。自民が公費負担の大きさや立地の選定、ネットワーク化構想が具体化していないことなどを理由に反対し、13日の同常任委で否決されていた。

議会の重み考え決断

 吉村美栄子知事の話 県産フルーツの情報発信拠点の必要性について、前回の知事選以降、約2年にわたり説明を尽くしてきたが、理解を得ることができなかった。本県の果樹振興に必要な拠点で、再議に付すことも考えたが、二元代表制である議会の重みを考え、当初予算案の否決という県民への不利益を避けるため、2年前と同様、当初予算案を撤回し、関係経費を削除した当初予算案の再提出を決断した。今後も生産者が将来に希望を持って取り組めるよう全力を尽くす。

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