砂漠地帯で進むグリーン電力開発 中国内モンゴル自治区

砂漠地帯で進むグリーン電力開発 中国内モンゴル自治区

空から見た寧夏回族自治区内のトングリ砂漠の新エネルギー基地の一角。(資料写真、小型無人機から、銀川=新華社配信)

 【新華社フフホト3月15日】中国内モンゴル自治区アルシャー盟のトングリ砂漠では、発電大手、中国華電集団傘下の内蒙古華電騰格里能源が「砂漠・ゴビ・荒漠地」1千万キロワット級風力・太陽光発電施設の建設を進めている。

 施設の発電総設備容量(発電能力)は1220万キロワットで、今年は200万キロワット分の太陽光発電施設を2期に分けて建設。王軍(おう・ぐん)副総経理は「施設全体が完成すれば年間で石炭消費を約107万トン(標準炭換算)節約し、二酸化炭素(CO2)排出量を278万トン削減できる」と述べた。

 アルシャー盟は自治区の西端に位置し、寧夏回族自治区と甘粛省に隣接する。砂漠やゴビ、荒漠地が集中するエリアで、中国八大砂漠のバダインジャラン砂漠とトングリ砂漠、ウランプハ砂漠がある。かつては広大な土地と少ない人口、雨が少なく乾燥した土地が発展を阻む大きな要因となっていた。

砂漠地帯で進むグリーン電力開発 中国内モンゴル自治区

寧夏回族自治区の賀蘭山750キロボルト変電所。(資料写真、銀川=新華社配信)

 ここ数年は、豊富な風力エネルギー、太陽熱、土地資源を背景に、国の「双炭」戦略(二酸化炭素排出量の2030年までの減少転換、60年までの実質ゼロ)の下で風力発電や太陽光発電などグリーン(環境配慮型)エネルギー産業を発展させている。同盟の劉徳翠(りゅう・とくすい)副盟長は「アルシャー地区では有効風速の吹送時間が年間約4千~6500時間、有効日照時間が3100~3600時間に上り、風力と太陽光資源の相互補完性が際立っている」と語った。

 アルシャー盟の新エネルギー設備容量は2023年末時点で568万キロワットと前年から倍増し、新エネルギー発電量も82%増の71億7500万キロワットと総発電量の46%を占めた。「砂漠・ゴビ・荒漠地」1千万キロワット級風力・太陽光発電施設は13カ所の建設を計画しており、今年の新エネルギー設備容量は1100万キロワットを見込んでいる。(記者/王雪氷)

© 新華社