自分の家なのになんだか疲れてしまう…“心地よく過ごせる”部屋づくりのヒント

(※写真はイメージです/PIXTA)

おしゃれに部屋を整えたつもりでも、なぜだか心が休まらない……実は、部屋にあるものから無意識に影響を受けているのかもしれません。本当に心地のいい部屋にはどのような特徴があるのでしょうか。筆子氏の著書『本当に心地いい部屋: ものが少ないからくつろげる、満たされるから帰りたくなる 』(大和出版)より、快適に暮らすヒントを見ていきましょう。

心地よさをさまたげる4つの問題

おしゃれな部屋や、人に美しいと思ってもらえる部屋を作ろうとしてもしなくても、結局、物が増えます。私たちは、何か問題が起きると、お金を使ったり新しい物を導入したりすることで解決しようとする癖があります。

部屋作りもまったく同じで、快適な部屋にするためには、立派な家具や、便利な小物、かわいい飾りものを買わなければならないと思ってしまうのです。

「物を減らしてシンプルに暮らしたい」と思っている人ですら「片付けるためには、まず100均で収納ケースを買ってこなくちゃ」と考えることが少なくありません。「まずは、買い物!」という行動様式ができあがっているわけです

部屋にある物、1つひとつは、素敵な物かもしれません。

しかし、どんなに素敵でかわいい物でも、過ぎたるは及ばざるが如し。

数が多すぎれば、その部屋の持ち主の足を引っ張るやっかいな邪魔者になります。

物が多い部屋の問題点は、管理や掃除が大変、探し物が増えるなど、いくつもあります。ここでは、居心地よさに影響を及ぼす見た目の問題を見ていきましょう。

1.見るだけでイライラ

物がごちゃごちゃして、見るだけでイライラします。

これは、誰しも経験があることではないでしょうか。物が多ければ多いほど、それぞれの色や形がお互いに干渉しあうため、神経にさわります。

多すぎる物をなんとか部屋におさめるためにすき間を利用して収納していると、余白がまったくないので、圧迫感があります。

2.集中できない

たくさんある物に意識が向いて、やりたいことに集中できません。特にキャラクターグッズのように色やデザインが派手な物や主張の強い小物を置くと疲れます。

「別に気にならないよ。ちゃんと仕事に集中できる」と思うかもしれません。

だとしたら、物がたくさんある光景に慣れてしまって、気がそがれていることに、気づいていないのです。一度、仕事机や、キッチンのカウンターに置いてあるものを、きれいさっぱり取り去ってください。とてもスッキリするはずです。

3.リラックスできない

物に意識が向けば、のんびりくつろぐこともできません。カフェや旅館、ホテルでリラックスできるのは、必要最低限の物しかなく、わずらわしい生活や、これからしなければならないことを思い出させるもの(シンクにたまった汚れた皿や、部屋の角にある、アイロンをかけなければならない洗濯ものなど)がないからです。

ネガティブな要素を排除する

4.ネガティブな気分になる

嫌いな色や形の物、不愉快な体験と結びついている物を置いていると、見るたびにいやな気分になります。

積ん読本や未完了のもの(やりかけの編み物や、まだ勉強していない問題集など)がたくさんあると、「まだ読んでいない」「まだやっていない」「使わないのにこんなに買ってしまってお金を無駄にした」という焦りや罪悪感を抱くことになります。

未完了のものが大量にある光景は、自己嫌悪も生みます。生活をしっかりコントロールできていないことや、何もかも先延ばしにしていることを、思い出すからです。

私たちは、周囲にある物から、たくさんの情報を受け取っています。

その多くは無意識にしていることですが、人の意識の90%以上は無意識だと考えられており、無意識の部分に入ってくるものは、その人の気分を大きく左右します。

視覚から受ける情報の影響は、とても大きいのです。

夢を実現させるためのツールに、ビジョンボードというものがあります。

コルクボードに、自分の夢をイメージさせる写真(たとえば旅行に行きたい国の景色の写真)をコラージュしたり、やりたいことを絵に描いて貼ったり、好みのマスキングテープやシールでデコレーションしたりして作ります。

自分がわくわくできる素材をボードに集めるのです。よく目にする場所にビジョンボードを置くと、夢や願いが潜在意識にすりこまれ、夢が叶う、というわけです。

私自身は、視覚的にうるさいものはあまり置きたくないので、作っていませんし、本当に効果があるかどうかはわかりません。

ですが、いつも目にする場所に、夢にまつわるものを置いておくと、リマインダーになるし、わくわくするし、モチベーションも保てるだろうとは思います。

ビジョンボードでなくても、好きなデザインのものや、心がやすらぐ絵やカレンダーをかけていると、いい気分になれますよね

逆に、数が多すぎて、神経にさわるものを、いつも目にするところに置いておくと、本当に疲れます。下手すると、夜ぐっすり眠ることもできません。

多すぎる物は、気持ちを疲れさせるだけでなく、健康にもよくありません。

物が多い部屋は、ほこりやカビ、虫を引き寄せます。アレルギー体質の人は、アレルギーがひどくなるし、ふだん、健康な人にとっても決してよくありません。

火事や、物につまずいて転倒するリスクも上がります。

筆子

ブロガー

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