鹿児島地方気象台や鹿児島県、十島村は、同村・諏訪之瀬島の噴火警戒レベルに伴う警戒範囲を見直す。これまでの噴火を踏まえ、いずれもレベル2(火口周辺規制)と3(入山規制)の範囲を拡大する。島外避難が前提だった4(高齢者等避難)と5(避難)は島内に警戒範囲を設ける。本年度中に運用される見通し。
2の警戒範囲を御岳火口の半径1キロから1.5キロ、3は同2キロから2.7キロとする。4と5については同3.5キロの警戒範囲を新たに設ける。
4か5が発表された場合、空路の離着陸場に2022年9月に整備した避難ターミナルを島内避難場所とする。避難ターミナルは火口から約4キロ離れている。
諏訪之瀬島の噴火警戒レベルを巡っては上げ下げが頻発。2と3の上げ下げは20年12月から24年1月までに計7回行われた。
見直しに伴い、噴石の飛散による引き上げは少なくなる見込み。火口から3.5キロ離れた居住地域への影響を検討し、範囲の見直しを進めた。
同島には39世帯83人(3月1日現在)が住む。十島村は見直しに合わせ、地域防災計画を修正する。肥後正司村長は「火山活動に応じたきめ細かい防災行動で、住民の生命を守りたい」と語った。
噴火警戒レベルは気象庁が発表するが、防災対応や警戒範囲は県、市町村などで構成する火山防災協議会が設定する。