なでしこジャパン長谷川唯がスペイン百科事典の表紙に!国内外で高まる存在感

Ⓒゲッティイメージズ

世界が認めた「なでしこ」の司令塔

サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」のMF長谷川唯(マンチェスター・シティー)がその卓越した技術や戦術眼を評価され、国内外で存在感を高めている。

2月に2戦合計で争った北朝鮮とのアジア最終予選でも「なでしこ」の司令塔としてチームに貢献。サウジアラビアでの第1戦が0―0、東京・国立競技場での第2戦が2―1と僅差の勝利だった。

特に最近話題となっているのは、このほどスペインの出版社「Oberon Libros」から発売された「サッカー百科事典」。その表紙にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会で得点王のフランス代表FWキリアン・エムバペら世界のトップ選手5人が居並ぶ中、なでしこジャパンの長谷川唯も堂々と登場しているのだ。

この他、セネガル代表FWサディオ・マネ、女子選手では3つの異なるリーグと3つの異なる大陸で「ゴールデンブーツ」を獲得したオーストラリア代表FWサム・カーの写真が配置されている。

日テレ・ベレーザのリーグ3連覇に貢献し、ACミラン(イタリア)やウェストハム(イングランド)を経て、2022年9月にイングランド女子スーパーリーグの強豪マンチェスター・シティーと3年契約を結んだ27歳。

2024年1月には2027年まで契約延長が公表され、昨季はプロ選手協会が選ぶリーグのベストイレブンに名を連ねた。世界のサッカー界もその実力を認める存在に成長したということなのだろう。

ゲーム予測力をクラブも称賛、バロンドール候補にも選出

マンチェスター・シティーでは中盤の底で攻守に試合をコントロールする役目を担い、巧みにボールをさばいて攻撃のリズムを生み出す。特にボール奪取からの展開力は目を見張るものがある。

クラブ公式サイトは長谷川唯のプレーに関して「彼女は技術的に信じられないほどで、ゲームをよく読み、すべてを予測している。彼女の懸命なプレーは、称賛されてしかるべきものだ」と高く評価している。

2月7日のイングランド・リーグカップ準々決勝、トットナム戦では値千金の決勝ゴール。前半34分にCKから右足で鮮やかなミドルシュートを決め、フル出場で1―0の勝利に貢献した。3月7日の準決勝ではチェルシーに敗れて決勝進出はならなかったが、その存在感は高まるばかりだ。

サッカー専門誌フランス・フットボールが選定する2022~2023年シーズンの最優秀選手賞「バロンドール」の男女候補各30人にも選出されており、英紙ガーディアンが毎年選ぶ世界のトップ選手100人のランキングにも入っている。

引退した岩渕とのプレーは「一生の宝物」

2023年9月、サッカー女子の元日本代表で、優勝した2011年ワールドカップ(W杯)にも出場したFW岩渕真奈が現役引退を表明すると、自身のインスタで「誰よりも『日本女子サッカー』というものを背負って闘ってた姿は本当にかっこよくてそんなぶちさん(岩渕)からたくさん学ぶことがありました。一緒にプレーできたことは自分にとって一生の宝物」と感謝の言葉を寄せた。

今夏のパリ五輪は12カ国で争われ、悲願の金メダルを目指す。「なでしこジャパン」は2012年ロンドン五輪が銀メダル、2021年東京五輪は準々決勝で敗退。花の都パリは2023年ワールドカップ(W杯)もベスト8で敗れた雪辱を果たす機会となる。



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