説得1時間、ニセ電話詐欺防ぐ 白石署 佐銀行員に感謝状

詐欺を防いで感謝状を受けた佐賀銀行白石支店の(前列左から)嶋真也さん、吉田成樹さん、岡野郁美さん=白石署

 白石署は12日、ニセ電話詐欺を防いだ佐賀銀行白石支店の行員3人に感謝状を贈った。3億円の振り込みを電話で確認しようとした女性に来店を促し、支店で1時間ほど説得を重ねた。

 3人は嶋真也さん(26)=神埼市、吉田成樹さん(52)=佐賀市、岡野郁美さん(31)=佐賀市。

 2月27日午前、嶋さんが70代の女性客から「3億円の当選メールが届いた。振り込まれたか預金残高を確認したい」という内容の電話を受けた。高額のため詐欺を疑って来店を促し、吉田さんと岡野さんが話を聞いて詐欺の疑いを説明。白石署に連絡した。

 吉田さんらによると、女性は複数の人間と電話やメールでやりとりを重ね、顔写真も示した。信じきっていて、疑う家族とけんかしていたという。「警察を呼ぼうとすると『帰る』と言われ、マインドコントロールされている感じだった。新聞記事を見せてようやく気付いてもらった」と話す。岡野さんは以前にもクレジット詐欺を防ぎ、2度目の感謝状になった。

 木下浩一署長は「電話口で疑いを伝えるだけでなく、来店を促し、組織的に対応した一歩進んだ対応」と感謝した。(小野靖久)

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