午前の日経平均は小反落、ハイテク株安が重し バリュー株に買いも

[東京 15日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比55円84銭安の3万8751円54銭と、小反落して取引を終えた。前日の米株安が重しとなり半導体株などに売りが出た一方、バリュー(割安)株への物色がみられ、相場を支えた。ただ、週末前であるほか来週に日米の金融政策イベントを控え、積極的な買いは手控えられた。

日経平均は前営業日比259円安と軟調にスタート。寄り付き直後には287円安の3万8519円94銭まで値下がりした。ただ、次第に下げ幅を縮小し、前場後半には28円安まで値を戻す場面もあった。指数寄与度の大きいハイテク株が軟調で相場の重しとなった一方、エネルギー関連や商社株などがしっかりと推移した。為替相場ではドル/円がやや円安方向に振れたことも支えとなった。TOPIXは底堅く、プラス圏での推移した。

市場では「最近は米株市場が弱くても日本株は下げ渋る展開が続いており、物色がハイテク株以外にも広がってきている印象」(フィリップ証券のアナリスト・笹木和弘氏)との声が聞かれた。足元の日経平均は3万8800円近辺が中心的な水準として意識されているといい、「下がったとしても12日に付けた安値(3万8271円38銭)を割れる可能性は低いのではないか」(国内証券・ストラテジスト)との見方が示された。

TOPIXは0.58%高の2676.95ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆1538億6700万円だった。東証33業種では、鉱業、石油・石炭製品、卸売など26業種が値上がり。海運、繊維、その他金融など7業種が値下がりした。

個別では、東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックが軟調で、3銘柄で日経平均を168円ほど押し下げた。トヨタ自動車は朝安後、プラス転換し1%超高。指数寄与度の大きいファーストリテイリングは小幅高だった。三菱商事、三井物産など商社株が買われた。

プライム市場の騰落数は、値上がり1067銘柄(64%)に対し、値下がりが525銘柄(31%)、変わらずが64銘柄(3%)だった。

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