島唄で民謡日本一 喜界小6年・久原奈子さん、祖母からもらった大島紬まとい「よいすら」披露 73組の頂点に

「よいすら」を歌い、民謡日本一に輝いた久原奈子さん=東京・浅草(久原奈実さん提供)

 鹿児島県喜界町赤連の喜界小学校6年久原奈子さんは、2023年度の民謡民舞少年少女全国大会(文化庁、日本民謡協会共催)小学4.5.6年生の部で、日本一に輝いた。三味線を奏でて奄美民謡(島唄)の「よいすら」を披露し、各地の予選会を勝ち抜いた73組の頂点に立った。「今までで一番うまく歌えた」と笑顔で振り返った。

 新型コロナウイルス禍だった小学3年時、地元の唄者川畑さおりさんが学校放送で島唄を歌うのを聞いた。「かっこいい。自分も歌いたい」と思い、川畑さんが通った「安田民謡教室」(池治)で習い始めた。

 週2回の稽古に欠かさず通い、めきめきと上達。昨年度は奄美群島の予選を通過し、初めて全国の舞台に立った。本年度の予選会は緊張して思うように歌えなかったものの、連続出場を決めた。

 東京・浅草で昨年8月にあった全国大会には、自らデザインし祖母から贈られた大島紬のワンピースを着て臨んだ。「会場は知らない人ばかりで肩の力を抜けた」。高い音域が多く難しいとされる曲「よいすら」を情感豊かに歌い上げた。

 鹿児島県教育委員会から2月、顕著な成果を収めたとして「いきいき教育活動表彰」を受けた。中学進学後も歌い続けるという。

 母親の奈実さんは「優勝はいまだに信じられない。今後も自然体で向き合ってほしい」。民謡教室を主宰する安田末子さん(84)は「歌詞の意味を追求するなどとにかく練習熱心。これからが楽しみ」と目を細めた。

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