UBSのクレディ・スイス買収、経済に新たなリスク=OECD

John Revill

[チューリヒ 14日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は14日、UBSが1年前に行ったクレディ・スイスの買収はスイス経済に「新たなリスクと課題」をもたらしたと指摘した。

スイス経済に関する報告書の中で、買収は金融の安定に寄与したが、一方でUBSの国内支配を巡る懸念が生じ、将来的な金融規制強化の必要性が高まったとの見方を示した。

「UBSのクレディ・スイス買収は、クレディ・スイス内で拡大した危機を効果的に安定させ、波及リスクを抑制した。金融の安定が守られたが、新たなリスクと課題も生じた」と分析。「UBSは、買収前からグローバルなシステム上重要な銀行だったが、さらに規模が大きくなり、TBTF(大きすぎてつぶせない)規制の下で一段と厳しい要件を満たさなければならなくなった」とした。

スイス経済については、2024年の経済成長率を0.9%、25年を1.4%と予測。長期平均成長率の1.8%や、昨年12月の政府予測(24年1.1%・25年1.7%)を下回った。

「外需の弱さ、資金調達条件の厳しさ、不確実性の高まりが重し」と指摘した。それでも労働市場は好調で、銀行合併に伴う雇用喪失を吸収できるとした。

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