町議全議員が沖縄防衛局へ要請 米軍パラシュート降下訓練で 嘉手納基地での常態化に抗議する意見書

米軍嘉手納基地でのパラシュート降下訓練の中止を要請する沖縄県嘉手納町議会の議員ら=15日、同町の沖縄防衛局

 沖縄県の嘉手納町議会議員15人は15日、沖縄防衛局に伊藤晋哉局長を訪ね、同基地で常態化している米軍によるパラシュート降下訓練に抗議する意見書を手渡した。前日の14日には昨年12月から4カ月連続となる降下訓練が実施された。同局長は「訓練は定期的ではなく小規模で、『例外的』に該当する」と従来通りの説明を繰り返した。

 同町議会は開会中の3月定例会で、相次ぐ降下訓練と米軍機の騒音激化に抗議する意見書を全議員の発議で可決した。

 米軍の降下訓練は原則として伊江島補助飛行場で実施することになっているが、米軍は同飛行場の滑走路の状態が悪いとして、嘉手納で訓練している。

 米軍主導による滑走路の改修工事の進捗(しんちょく)が見えない状況に、當山均基地対策特別委員長は「日本政府が工事するか、嘉手納基地以外での訓練を早急に調整するしかないのではないか」と訴え、一刻も早い同基地以外での訓練を求めた。

 同局長は「近いうちに米側から改修工事の説明が可能となる見込み。滑走路の改善を米側へ早期に求める」と述べた。

 仲村渠兼栄議長は、降下訓練には基地周辺の住民や自治体が強く反対し、意見書も全議員発議によるもので「重みがある意見書だ」と強調した。

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