ピーター・ウィアー『ピクニック at ハンギング・ロック』4Kレストア版、5月3日公開決定

ピーター・ウィアー監督作『ピクニック at ハンギング・ロック』4Kレストア版が、5月3日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショーされることが決定した。

1967年に発表された同名小説を基に制作された作品で、オーストラリアのウィアー監督が1975年に発表した本作。今回、日本劇場初公開より約40年の月日を経て公開される4Kレストア版は、日本劇場公開116分であったオリジナル版からウィアー監督自身が再編集した107分のディレクターズカット版となっている。

当時批評家や観客に大きな混乱をもたらした本作は、ソフィア・コッポラの『ヴァージン・スーサイズ』に直接的な影響を与え、ファッション界ではラフ・シモンズやアレキサンダー・マックイーンもインスピレーション源として本作に言及。ウィアー監督は、メル・ギブソン、ジョージ・ミラーと並び、「オーストラリア・ニューウェイヴ」を代表する監督となった。

1900年2月14日。セイント・バレンタイン・デイ、寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒が、2人の教師とともに岩山ハンギング・ロックに出かけた。規律正しい生活を送ることを余儀なくされる生徒たちにとってこのピクニックは束の間の息抜きとなり、生徒皆が待ち望んでいたものだった。岩山では、磁力の影響からか教師たちの時計が12時ちょうどで止まってしまう不思議な現象が起こる。マリオン、ミランダ、アーマ、イディスの4人は、岩の数値を調べると言い岩山へ登り始めるが、イディスは途中で怖くなり悲鳴を上げて逃げ帰る。その後、岩に登った3人と教師マクロウが、忽然と姿を消してしまう…。

あわせて予告編とポスタービジュアルも公開。予告編では、純白のイメージに満ちた少女の煌びやかさと、ミステリアスなハンギング・ロックの対比が映し出されている。レナ・ダナム、クロエ・セヴィニーらが本作からの影響を語り、「美しい少女たちの失踪とともに、完璧な世界に亀裂が走る。コルセットのように西洋的な文化で締めつけても、オーストラリアの自然は野生で対抗し、彼らの大事なものを奪い去っていく。靴を脱いだ少女たちは素足でどこに行ったのか。抑圧からの解放、逸脱、叛逆、官能、自由の気配。危険で耽美的な物語の向こう側に、今の私たちは何を読み取るだろうか」というコラムニスト・山崎まどかのコメントも収められた。

ポスタービジュアルでは、純白なワンピースに身を包み、ピクニックを楽しむ少女たちの姿が切り取られている。また、その穏やかな印象とは裏腹に、「ある晴れたバレンタインの日に、彼女たちは姿を消した――」という不穏なキャッチコピーも配置されている。
(文=リアルサウンド編集部)

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