一般企業とBクラブの違いとは…“元球団社長”の島田チェアマン「難しいけど最高に面白いところでもある」

3月14日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第176回が配信され、かつて千葉ジェッツの球団社長を務めていた際の経験も振り返りながら、一般企業とBリーグクラブの違いについて語った。

つい先日、今年開業予定だという千葉Jの新アリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」を視察した島田チェアマンは、収容1万人規模のアリーナを目の当たりにした際の感動と興奮を語り、「皆さんも実際に見てみたら『バスケ来るな!』と確信に変わると思います。これから続々と新しいアリーナができてくると、我々が想像している以上に迫力がある。2026-27シーズンの『B.革新』のタイミングで、世界観が変わっていく様子を見せられるんじゃないか」と話した。

また、リスナーからの手紙に答える形で、“職場”としての一般企業とBリーグの違いについてもコメント。「Bリーグのクラブは会場の熱量みたいなものを商品として販売する。商品を作る部署だったり、セールスの部署だったり、経理がいたり、分解すると構造は一緒」としつつ、いわゆる“違い”について次のように説明した。

「Bリーグの場合はそれにプラス、“チーム”という勝ったり負けたりする不確定な商品であり仲間がいますよね。良い時もあれば悪い時もある。まず確実性を高めていくのがビジネスの真髄であり、スタッフ一丸となって良い商品を作って届けるのが一般企業であるならば、クラブの場合は不確実性がある」

「それと、ステークホルダーとしてお付き合いする相手の幅が広い。一般企業であれば卸や小売に売りにいく。相手先も似たような業界だったりする。我々がお付き合いするのは自治体、地元企業、学校や幼稚園、青年会議所だったり、とにかく多いんですよ。不確実性が高い上に、つかまなければいけない範囲が広い。なので、人々を惹きつけるスイッチを見つけるのが簡単じゃない。これが違いでもあり、難しさですよ」

活気あふれる千葉Jのホーム・船橋アリーナ[写真]=B.LEAGUE

「答えがないんです。一般企業だと商品のここを改善したらヒットするかも、売り方を変えようかなとか、何かを改善するスイッチが商品の側にあるけど、チームというのは1人の選手をどうにかしたからといって変わるわけではないし、ネットに何かを載せたから劇的にファンが増えるわけでもない。どのスイッチを押したら良くなるのか、無限にあるんです。それを手繰り寄せていく作業は難易度高いですよ。データだけじゃなくて感情も渦巻いてますからね。そこが難しいんだけど、最高に面白いところでもある」

「私もやってきたのでわかりますけど難しい。でも、超面白いですよ。みんなで力を合わせて作り上げた成果物としての試合会場の熱量とか、ファンの熱気とか、選手たちの頑張りで勝ってスタンディングオベーションになった時には震えますよ。難易度が高いけど、そこで垣間見える感動というのは、ファンの皆さんだけじゃなく、働いている我々もあります。素晴らしい仕事だと思いますよ」

番組内では、この他にもBリーグとしての震災後の動きなどについてトークを展開。新たにBリーグのファンになったリスナーからの手紙にも答えた。

【番組を聴く】思わず震える…クラブ運営の「難しいけどおもしろい」を熱弁『島田のマイク』第176回

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