【アカデミー賞7冠】映画「オッペンハイマー」広島の学生向け試写会で上映

原爆の開発者を描き、アカデミー賞で「作品賞」などを受賞した映画『オッペンハイマー』の試写会が12日夜、広島市で開かれました。映画をみたのは若者たちです。

映画「オッペンハイマー」は原爆の開発を主導した物理学者の生涯を描いた作品です。広島市で開かれた試写会には高校生や大学生らおよそ110人が招待されました。

■入場

「盛大な拍手でお迎えください」

上映後にあったトークショーには、元広島市長の平岡敬さん、絵本作家のアーサー・ビナードさん、映画監督の森達也さんが参加しました。

■元広島市長 平岡 敬さん

「広島の立場から、原爆の恐ろしさ核兵器の恐ろしさが十分に描かれていない」

■絵本作家 アーサー・ビナードさん

「広島と長崎の実相を必然的に外しているけど、そのかわりに核開発というドラマとしてアクションとして、描きにくいものが実相として描かれていて、僕らが今まで得られなかった立ち位置を得ることができる」

■映画監督 森 達也さん

「弱いオッペンハイマーがマンハッタン計画のリーダーだったから、この映画は意味がある」

「2024年になって改めて核兵器ってなんだろうと思う契機が与えられている」

会場にはG7広島サミットや平和教育を取材してきた崇徳高校の新聞部員たちの姿も。

■崇徳高校 新聞部 野崎 芽依さん

「私は広島で生まれ育ち平和教育を受けてきました。日本から見た戦争の悲惨な状況だけではなくてほかの視点も交えた伝え方ができればいいなと今日考えたんですが、どのような方法で次の世代に伝えていけばいいのか お聞きしたい」

■映画監督 森 達也さん

「アメリカ人はほとんど核兵器をわかっていません。放射線をわかっていない巨大な爆弾ぐらいにしか思っていない」

「原爆は戦争を終わらせたんだという言説につながってしまう」

「いろんな視点、もしアメリカ人が日本に来て日本側の視点を知れば考えは新たになると思うし、みんなでそれを共有して広めてほしい」

アメリカで売られていたTシャツを着たアーサーさんは、最初の核実験により、アメリカ人も被爆したと語りました。

■絵本作家 アーサー・ビナードさん

「IT'SABLAST !(爆発的に 楽しい)」

「でも原爆開発者の被爆と広島・長崎の黒い雨被害者は被爆としては同じそこが視点としてすごく大事」

映画は広島の若者にとっても新たな視点で原爆を考えるきっかけとなっています。

《2024年3月13日放送》

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