東武動物園、ホワイトタイガー脱走「気を抜くな」…地震時の捕獲訓練を実施 飼育員がトラ役、麻酔銃で倒れてトラックへ運ばれる動き確認 棒を持った職員ら集まり、足を縛って捕獲「安心安全、楽しんで」

ホワイトタイガー役(中)を捕獲する飼育係職員=13日、宮代町の東武動物公園

 埼玉県宮代町の東武動物公園は13日、地震で展示場から逃げ出したホワイトタイガーを捕獲する訓練を実施した。飼育係、従業員が来園者の避難、エリアの確保、捕獲まで役割を確認した。

 動物捕獲訓練は、飼育係の知識、技術向上のため実施。同園は年3回、ネット張りとローピング、捕獲の訓練を行っているという。

 今回の捕獲訓練は、地震が発生し強化ガラスが破損、ホワイトタイガーが展示場から逃げ出した想定で行われた。来園者が見学する中、飼育係1人がトラ役となり、訓練が始まった。

 展示場から逃げ出したトラ役を別の飼育係が発見。飼育係が総出で無線で連絡を取り合ったり、見学に訪れていた来園者を展示場付近から離れた場所に誘導するなど対応に当たった。

 車両でスペースを包囲し、複数人が専用のネットを設けるなど、トラを一部のエリアに追い込んだ。参加した飼育係はトラの行動に警戒しながら「気を抜くな。トラが見える人は位置を報告して」など互いに声をかけ合った。

 別の飼育係が麻酔銃を使うと、トラは間もなく倒れた。棒を持ち集まった飼育係が倒れたトラの足を縛り捕獲。布でくるみトラックに積み込んだ。

 訓練を担当した神長正事業部課長は「訓練ではしっかり声を出し、役割を理解できた。お客さまに、安心安全な動物園を楽しんでいただきたい」としている。

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