中国には2024年のGDP成長率目標を達成する能力がある―HSBC

HSBCグローバル・リサーチのチーフエコノミストはこのほど発表した研究で、中国は今年、GDP成長率目標を達成する能力があるとの見方を示した。写真は中国の青果市場。

HSBCグローバル・リサーチ(グレーターチャイナ)の劉晶(リウ・ジン)チーフエコノミストはこのほど発表した研究で、中国は今年、GDP成長率目標を達成する能力があるとの見方を示した。

劉チーフエコノミストによると、今年の中国の赤字率3%、特別国債1兆元(約20兆円)、地方政府特別債3兆9000億元(約78兆円)の発行は昨年とほぼ同じだが、実際には金融支援が強化されており、金融緩和のシグナルもより明確になっている。HSBCは、今年も50ベーシスポイントの引き下げや、その他の構造的な金融政策手段による流動性の供給があると予測している。

「24年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)の閉幕に伴い、次の最大の注目点は経済の円滑な構造転換を確保にするためにさまざまな政策がいかに実行に移され、同じ方向性で効果を発揮するかという点だ」。劉チーフエコノミストによると、HSBCは2024年の中国の消費成長率が前年比で7%に達すると予測しており、その主な原動力は経済のファンダメンタルズの持続的改善、特に引き続き力強さを見せるサービス消費による他分野の回復牽引、新たな不動産開発モデルの下での市場安定化による信頼感回復にあると見ているという。

投資面では、大規模な設備更新や消費財の買い換えが製造業投資の伸びを支えるとの見方を示した。また、政府による中低所得者向け住宅の供給増が分譲住宅市場の圧力を緩和し、不動産市場の安定化をより迅速に促進するとした。

中長期的には、新たな質の生産力の発展の鍵は全要素生産性の向上にあり、科学技術のブレークスルーがこれに広大な空間を提供するとHSBCは見ている。劉チーフエコノミストは、今年の政府活動報告が「人工知能(AI)+」行動を打ち出したことに言及。「生成AIのハードルがより低くなり、コストもより手頃になり、より多くの企業に利益をもたらすことになる。中国のデジタル経済は新たな発展段階に入り、『AI+』が各業界の効率を向上させ、さらに発展の原動力を与えることが特に注目される」とした。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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