「手術なしでの性別変更」認められトランスジェンダー当事者が婚姻届 祝福の声に「本当に時代が動いた」 岡山

手術をせずに戸籍上の性別を変更した岡山県新庄村のトランスジェンダーの当事者が、15日、パートナーの女性と婚姻届を提出しました。

(パートナーと婚姻届を提出/臼井崇来人さん)
「3月15日だよって言ったら友達が『最高の日じゃん』って最高! みたいな……」

新庄村役場を訪れたのは、トランスジェンダーの臼井崇来人さん(50)とパートナーの女性、山本幸さん(46)です。

婚姻届が受理され、2人は法律で認められた夫婦となりました。「夫となる人」の欄には崇来人さんの名前が。

2人は8年前にも婚姻届を出しましたが、当時、崇来人さんの戸籍上の性別は「女性」だったため受理されませんでした。

崇来人さんは手術をせずに性別を変更したいと2016年、岡山家庭裁判所津山支部に申し立てましたが、当時は認められませんでした。

しかし、2023年10月、最高裁判所は別の当事者の申し立てで、性別変更に手術を求める法律の要件を「違憲」だと判断しました。

これを受け、崇来人さんは、2023年12月に再び申し立て、2月7日に認められました。

(手術をせずに性別を変更/臼井崇来人さん)
「誰も分かってくれなくてもいいよね、頑張ろうね、みたいに言っていた頃と比べて、たくさんの人が祝福の声をかけてくださるのは、本当に時代が動いたという感じがして感慨深い」

(崇来人さんの妻/臼井幸さん)
「よく頑張ったなと思います。なかなか長い期間を名前も顔も出して、自分だったらできないと思うし、そこは尊敬しています」

(手術をせずに性別を変更/臼井崇来人さん)
「家族のために、家族のためです」

そして、同じ悩みを抱える人に対して崇来人さんは……。

(手術をせずに性別を変更/臼井崇来人さん)
「法律とか社会的な意識も変わっているので、堂々と家族を持ちたい人は、家族をぜひ持っていただいて、幸せに過ごしてほしいと思うし、10年前とかもっと前は『結婚できないでしょ』とか、ハードルが実際あったわけです。それが解けたというか、いろんな呪縛が解けつつあるので、そういうことに縛られずに自分の幸せを突き進んでほしい」

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