珠洲の消火栓、使用可能は8% 輪島45%、火災対応に懸念

建物の倒壊に巻き込まれた消火栓=15日午後、石川県珠洲市

 能登半島地震で甚大な被害が出た石川県の珠洲、輪島両市に設置された消火栓のうち、使用可能と確認できたものが珠洲で8.6%、輪島で45.1%にとどまることが15日、地元消防への取材で分かった。広範囲の断水や消火栓自体の破損が要因で、火災に十分対応できない懸念がある。消防幹部は「水を確保する手段を複数整備する必要性を痛感した」と強調する。

 地元消防によると、ほぼ全域で断水が続く珠洲市は14日時点で、市内に611基ある消火栓のうち、使用可能と確認されたのは53基だった。断水の影響で多くが使えない状況という。輪島市では901基のうち483基を調査し、断水の他、破損で漏水などしていたものを除く407基が使用できた。

 地中に水をためる防火水槽は、珠洲市にある297カ所のほとんどで調査が終わり、いずれも使用可能。輪島市は495カ所のうち431カ所を調べ、368カ所が使えた。簡易水槽の設置や他の自治体からポンプ車の応援などで一部は対応しているという。

 元日の地震では、水が使えず火災被害が広がった。

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