【阪神大賞典/追い切り診断】想定“8人気”の伏兵に高評価 「圧巻のラスト1F11秒0、復帰後一番のデキ」

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■プリュムドール

【中間調整】2022年の秋に芝3000mの準オープン・古都Sを快勝。次走のオープン昇級初戦はステイヤーズSで、そこではハンデ54キロの恩恵があったにしてもシルヴァーソニックに3/4馬身差まで迫る2着とさっそく健闘を果たした。そこから長距離路線で順調に活躍していくかと思われたが……脚部不安で1年弱の休養を余儀なくされる。復帰戦だった昨年秋のアルゼンチン共和国杯が9着、続く前走・万葉Sが6着で休養前ほどの勢いは感じさせないものの、着差はそこまで大きくはなく依然高い長距離適性を保っていると考えていいだろう。

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前走後は放牧を挟んで間隔を取り、3000m重賞のここへ進むのは予定通り。初時計だった2月29日のCW追いでさっそく3頭併せをこなせたあたり、中8週と同様の間隔だった前走時(今回は中9週)と比較して、よりいい状態で牧場から帰ってきたようだ。1週前のCW併せ馬には今回初コンビを組む和田竜騎手が騎乗し、終いにガツンと気合いを入れられると1F11秒0(一杯)と豪快に伸び、目標の準オープンを交わして先着を果たした。

【最終追い切り】レース当週も和田竜騎手が騎乗し、CWで併せ馬。ゆったり入って脚を溜め、2頭を相手に弾けさすメリハリを意識した3頭併せだった。直線は首を上手に使い楽に加速。1頭を置き去りにし、猛然と迫ってきたもう1頭との追い比べも手応え優勢のまま併入とした。集中力抜群で、加速の鋭さは申し分なかった。

【見解】復帰後の2戦はやはり脚元を気遣ってか、攻めが若干手緩かった印象。今回はもう完全に問題ないということか、攻めのレベルを強めており馬もしっかり応えている。週前は復帰後初めて一杯まで追われ、圧巻のラスト1F11秒0をマーク。そこで負荷を掛けられた効果か、今週は素軽さ満点で楽に11秒2をマークと間違いなく、復帰後では一番のデキ。大幅前進に期待したくなる。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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