会社の不祥事などで起こる「株価の暴落」! 具体的にどのような悪影響があるの?

資金調達への影響は

企業の株価は、さまざまな影響で変動します。一般的に、株価は需要と供給のバランスによって変動し、人気のある株は高値が、あまり人気がない株は安値がつく仕組みです。企業経営が期待されている場合や、将来性があると見なされている場合などは高値がつくでしょう。

一方、企業の経営状態や将来性に不安を持たれていると、株価は下がる傾向があります。そのときの市場の反応にもよるため、一概にいうことはできませんが、企業の不祥事などが起こると、株価は暴落する可能性が高いです。なお、株価は日々変動するため、短期的な下落は企業経営に大きな影響はない場合もありますが、長期的な下落の場合は影響を受けやすいでしょう。

新しい株式を発行して資金調達を行おうとする場合であっても、株価が暴落していれば、企業は株式の発行金額も低く設定せざるを得ません。そのため、企業が得る資金が大きく減る可能性があります。

具体的には、100万株を1000円で発行できていたときに比べ、株価が暴落して700円でしか発行できない場合、調達できる資金は3億円も差が出てしまうということです。また、株価が下がることで、銀行がその企業を業績不振と見なしてお金を貸してくれなくなる可能性もあります。

資金調達以外にも悪影響がある

株価が暴落すると資金調達が困難になるというデメリットがありますが、それ以外にも、優秀な人材確保が難しくなる可能性が考えられるでしょう。株価が下がり経営が不安定になると、別の安定している企業に社員が流出することもあります。

また、新しい人材の採用も厳しくなる傾向がある点にも留意が必要です。株価が下がり続けることで、会社の将来性や魅力がないと判断されかねません。そのような企業に優秀な人材が来るとは考えにくいでしょう。

また、買収の危機にさらされるリスクがある点にも注意しなくてはいけません。株価が暴落することは会社の価値が安くなっているということです。そのような状況になると、他社が買収を試みる可能性もあるでしょう。買収されると経営体制や経営方針が大きく変わるほか、従業員の削減を目的とした解雇などが行われる恐れがあります。

株価が暴落するとさまざまな影響がある

会社の不祥事などで株価が暴落すると、株式売却による資金調達が困難になるだけでなく、会社の経営が不安定と見なされて、銀行からもお金を貸し渋られる可能性もあります。また、資金調達の問題だけでなく、人材確保が難しくなることや買収のリスクといった悪影響を受けることが考えられるでしょう。会社の存続にも影響があるため、株価の暴落には注意が必要です。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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