WiFi、江の島・鎌倉に拡大 小田急電鉄

 急増する訪日外国人客のニーズに応えようと、小田急電鉄(東京都新宿区)は16日から、公衆無線LAN「Wi−Fi(ワイファイ)」サービスをリニューアルする。利用可能エリアを江の島・鎌倉にも拡大し、接続手順を簡素化。連動して、外国人客向けの案内機能も充実させる。

 これまでは新宿と箱根の両エリアやロマンスカー車内での利用が可能だった。今回、新たに藤沢駅構内の観光案内所のほか、片瀬江ノ島駅や江ノ電各駅などでの利用が実現する。

 同社によると、2015年度の新宿、小田原の「外国人旅行センター」の利用者数の合計は20万8千人で前年度比17・9%増。中国や台湾、香港のほか東南アジアからの旅行者が多いという。また、新宿の同センターでは江の島・鎌倉エリアの周遊券「江の島・鎌倉フリーパス」の売上枚数が8割増と大幅に伸びている。こうした背景がリニューアルを後押しした。

 また、Wi−Fiサービスと連動し、「小田急お役立ち情報」と題したサービスも新たに始める。訪日外国人客が滞在中に必要とする「乗る」「食べる」「見る」といった行動パターン別に観光スポットなどの情報を、利用エリアに応じて表示する。

 従来のWi−Fiサービスはショートメールなどによる認証が必要だったため接続手順が複雑で、「使いづらい」という声が国内外から上がっていた。小田急の担当者は「今回のリニューアルで利用規約に同意するだけで接続できるようになる。外国人旅行者をはじめより多くのお客さんに向けて沿線の魅力を伝えたい」と話している。

 1回3時間まで無料。日本語、英語、中国語の簡体字と繁体字、韓国語、タイ語の六つの言語で対応する。詳細は16日にアップするホームページで。

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