ドイツの温室ガス排出、昨年10%減 30年の気候目標達成へ

[ベルリン 15日 ロイター] - ドイツ連邦環境庁は15日、同国の温室効果ガス排出量が2023年に前年比約10%減少したとの暫定推計を確認した。30年の気候目標を達成できる見通しだ。

二酸化炭素排出量は6億7300万トンに減少。減少幅はドイツ再統一以降で最大となった。ドイツのシンクタンク、アゴラ・エナギーヴェンデが1月に公表した暫定推計を同庁が確認した。

ドイツは30年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で65%削減し、45年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を実現する目標を掲げている。現時点の削減率は約46%。

ハーベック経済相(気候政策担当)は「ドイツは初めて軌道に乗った。このまま軌道を外れなければ30年の気候目標を達成できるだろう」と声明で述べた。

エネルギー集約型産業の生産が減少したことに加え、再生可能エネルギーによる発電が増えたことが寄与した。

ただ、運輸部門と建設部門は昨年の排出目標を達成できなかったため、両部門の脱炭素化を進める一段の対策を講じなければ30年の目標達成が危ぶまれるという。

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