詐欺に公選法違反…不祥事相次ぐ鳥取県議会 欠員に伴う補選、新人3人が立候補 選挙戦スタート

立候補した(右から)玉木裕一氏、山本暁子氏、吉田正氏

 鳥取県議の辞職と失職に伴う県議会鳥取市選挙区補欠選挙(被選挙数2)が15日、告示され、新人3人が立候補し、少数激戦の選挙戦が始まった。投開票は24日。

 立候補者は届け出順に、日本維新の会公認で元鳥取市議の玉木裕一氏(46)、無所属で猟師の山本暁子氏(42)=自民党推薦、無所属で連合鳥取組織アドバイザーの吉田正氏(65)=立憲民主、国民民主両党、社民党県連推薦。

 玉木候補は、子育てと教育環境の整備、地域経済活性化を掲げる。同市田園町4丁目の選挙事務所前で約50人を前に第一声に臨み、自民党の裏金問題や補選の発端となった県議の不祥事を念頭に「政治に信頼を取り戻して新しい鳥取をつくる。より良い社会を次世代につなげる」と主張した。

 山本候補は、IT活用の推進や農林水産業の支援を公約とした。同市国府町宮下の選挙事務所前で約240人を前にマイクを握り「住民目線の新しい鳥取」の実現を目指すとし、「若い人にも、声を上げれば鳥取県を変えていけるということを見せていきたい」と訴えた。

 吉田候補は、中小企業を含めた労働者の賃上げや働き方改革の促進を図る考え。同市賀露町の選挙事務所前での約90人を集めた出陣式で、政治とカネの問題に言及し「政権与党に任せれば働く仲間が報われない」と強調。「労働者らが安心して暮らせる県政に変える」と声を張り上げた。

 鳥取市選挙区を巡っては、詐欺罪などで有罪判決を受けた議員が昨年8月に辞職、公選法違反(寄付行為)の罪で罰金刑を受けた別の議員が今年2月に刑が確定して公民権停止となり、議員失職。欠員2となったため補選が決まった。

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