在職老齢年金制度で支給停止になった場合、65歳から繰り下げ支給にすれば、支給停止された老齢厚生年金は支給されますか?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、在職老齢年金で支給停止になった老齢厚生年金について、専門家が解説します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。 今回は、在職老齢年金で支給停止になった老齢厚生年金についてです。

Q:在職老齢年金制度で年金が支給停止になった場合、65歳から繰り下げ受給すれば、支給停止された老齢厚生年金はもらえますか?

「在職老齢年金制度で支給停止になった場合、65歳から繰り下げ支給にすれば、支給停止された老齢厚生年金は支給されますか?」(アッコ29)

A:在職老齢年金制度で支給停止になった場合、65歳から繰り下げしても支給停止された厚生年金は支給されませんし、増えません

結論からいうと、在職老齢年金制度によって支給停止された老齢厚生年金は繰り下げても支給されませんし、増額しません。繰下げによる年金の増額は、65歳以降、在職時に受け取っている老齢厚生年金額についてのみ可能です。 在職老齢年金制度で支給停止されないようにするためには、おおよその給与収入(総報酬標準額)と年金の基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分)の合計額が48万円(令和6年4月からは50万円)を超えないように、給与収入の金額を調整する必要があります。 また老齢基礎年金は在職老齢年金制度の対象にはなりませんので、給与収入の金額には関係なく原則65歳からもらえます。 監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー) 都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。 (文:All About 編集部)

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