「トランプ氏は脅威」、バイデン氏黒人支持者に響かず=世論調査

Jason Lange

[ワシントン 15日 ロイター] - ロイター/イプソスの世論調査によると、「トランプ前米大統領は民主主義への脅威」とのバイデン大統領の訴えは、同氏の他の支持層に比べて黒人有権者にはあまり浸透していない。

バイデン氏支持者の約57%はトランプ氏の当選阻止が支持の理由と回答。積極的な支持を表明したのは30%だった。大統領選で投票率を上げたい民主党にとって、トランプ氏の脅威に焦点を当てる戦略が一定の効果を上げている可能性を示している。

ただ、バイデン氏の支持基盤の約5分の1を占める黒人有権者は、トランプ氏を阻止するために投票すると回答した割合が37%で、白人支持増の65%を大きく下回った。

とはいえ、バイデン氏は国内経済を支援し、中絶の権利を守るとのメッセージも掲げて選挙運動を展開。同氏を支持する黒人有権者の半数近くが政策を支持理由に挙げているのに対し、白人有権者では約3分の1にとどまっている。

ROKKソリューションズのパートナーを務める民主党ストラテジストのロデル・モリノー氏は「トランプ氏の問題を強調することは確かに戦略の一部だが、有権者にバイデン大統領の実績を思い起こさせ、将来への前向きなビジョンを提供することも重要だ」と述べた。

バイデン陣営の広報担当者サラフィナ・チティカ氏は、支持者はさまざまな問題に動機付けられているとの見方を示した。

調査は7─13日に国内の成人4094人を対象にオンラインで実施した。

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