いまだにコンビニで「レジ袋」を買ってしまいます。たかだか「5円」程度ですし、そこまで「損」にはなりませんよね? マイバッグはつい忘れてしまいます…

レジ袋の有料化をおさらい

レジ袋の有料化は、2020年7月1日から始まりました。プラスチックの3R(リデュース、リユース、リサイクル)のうち、ゴミの量を減らすリデュースを徹底する方策として、導入されたものです。

有料化の導入後、「1週間レジ袋を使用しなかった人の割合」は30.4%から71.9%まで増えています(図表1)。一方で、廃棄プラスチックの排出量は有料化導入の2020年こそ前年から28万トン減の822万トンでしたが、以降はほぼ横ばいです(図表2)。出費を抑えたいという国民の節約志向はうかがえますが、肝心のリデュース促進にはあまりつながっていないと言えます。

図表1

環境省 レジ袋有料化(2020年7月開始)の効果 をもとに筆者作成

図表2

一般社団法人 プラスチック循環利用協会 2022年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 をもとに筆者作成

「1枚5円」のレジ袋は家計の負担になる?

現在、レジ袋は1枚3円~5円程度で購入できます。金額はごくわずかですが、購入頻度が高いとマイバッグなどの自前の袋を買うよりも損する可能性があるでしょう。

例えば、平日は毎日コンビニで昼食を買う人が毎回5円の袋を購入していれば、1週間で25円、1ヶ月(5週間)で125円の支出が発生します。年換算すると1500円の支出です。

「1年間で1500円なら大したことない」と感じる人もいるでしょう。しかし、何年も使える300円のマイバッグを使えば、毎回レジ袋を購入するよりも支出は抑えられます。1年では1000円程度の差しかありませんが、5年も使えば7000円以上の支出差が生まれます。

「ほんのちょっとでも節約したい」と感じるのであれば、必要なときだけレジ袋を購入するようにしましょう。

レジ袋への支出は「無駄になる」場合と「無駄にならない」場合がある

レジ袋への支出は、人によって無駄になる場合と無駄にならない場合があります。それぞれのケースを図表3にまとめました。

図表3

筆者作成

買い物後にレジ袋をすぐに捨てている場合は、無駄な支出と言えます。コンビニに行くたびに数円の手数料を払って買い物しているのと同じことになるためです。弁当の容器を捨てるための袋として活用したとしても、スーパーなどで売っている「150円のポリ袋50枚入」を買うほうが安上がりです。たかが5円とは言え、毎日のように支出していてはもったいないですね。

一方、レジ袋を別の用途に再利用しているのであれば、決して無駄な支出とは言えません。レジ袋の再利用方法には、図表4のようなものが考えられます。

図表4

筆者作成

レジ袋は、日常生活のさまざまなシーンで再利用が可能です。コンビニをよく使うのであれば、わざわざ50枚入のレジ袋やポリ袋を買う必要はありません。「コンビニで買ったレジ袋はいつも違う用途で再利用している」という人は、あまり支出を気にせず購入してもよいでしょう。

ちょっとでも節約したいならレジ袋はもらわない! 必要なら堂々と購入を

レジ袋はわずか5円程度の買い物ですが、お財布からお金が出ていっていることに変わりはありません。「ちょっとでも節約したい」「ついレジ袋を買ってしまうけど正直罪悪感がある」という人は、今日からレジ袋を買わずに、マイバッグや自前の袋を活用してみましょう。

一方、「再利用のために買っている」「ほかの費用を集中的に節約している」という人は、レジ袋の支出は決して無駄ではありません。必要なときは堂々とレジ袋を購入しましょう。

出典

プラスチック・スマート 令和2年11月レジ袋使用状況に関するWEB調査
環境省 レジ袋有料化(2020年7月開始)の効果
一般社団法人 プラスチック循環利用協会 2022年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況

執筆者:石上ユウキ
FP2級

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