金額でクレジットカード決済を断るのは加盟店規約違反
クレジットカード加盟店にもかかわらず、クレジットカードでの支払いを断られることがあります。主な理由として、クレジットカードの手数料が考えられます。クレジットカード決済をされた場合、加盟店は売り上げの一部を手数料としてカード会社に支払わなければなりません。
少額決済だったり、利益率の低い商品が売れたりすると、数%の手数料が加盟店にとって大きな負担となることもあります。利益を少しでも多く残すために、クレジットカード決済を断るケースは少なくないかもしれません。
しかし、金額を理由にクレジット決済を断るのは、クレジットカード会社の規約違反にあたります。大手カード会社である三井住友カードとJCBカードを例に挙げ、規約を確認してみましょう。
・三井住友カード
加盟店規約第7条「正当な理由なくして信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等、会員に対して差別的取扱いは行わない」
・JCBカード
加盟店規約第11条「加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段の利用を求めてはならない」
どちらも正当な理由なくクレジットカード支払いを拒絶してはいけないとされています。「少額だから」という理由は、クレジットカード決済を断る正当な理由とはいえません。
クレジットカード利用を断られた際の対応
クレジットカード加盟店にもかかわらず、金額が理由でクレジットカードの利用を断られた場合はどのように対応したら良いのでしょうか。
もし断られたら「金額を理由にクレジットカード決済を断るのは加盟店の規約に違反している」ということを店員に伝えると良いでしょう。店員の裁量によっては、その場でクレジットカード決済に対応してくれる可能性があります。
またカード会社に連絡し、状況を伝えるという方法もあります。その場での対応は難しいかもしれませんが、後日カード会社が加盟店に事実調査や是正指導を行ってくれるので、クレジットカードの決済拒否はなくなるでしょう。
一方、「加盟店(飲食店)も大変だから」と自分が納得できる場合は、現金払いを受け入れるのも1つの方法といえます。店側の姿勢に納得できなければ、その後来店しないという選択肢も選べます。
自分が納得できる対応を!
クレジットカード加盟店が「少額だから」「ランチだから」などの理由でクレジットカード決済を断るのは、規約違反にあたります。
現金で支払う、その店を利用しないようにするということもできますが、自身がキャッシュレス派だったり今後もその店を利用したいと思ったりすることもあるかもしれません。その場合は、カード会社に連絡して店に指導を促すこともできます。いずれにせよ、自分が納得できる方法で対応してくださいね。
出典
三井住友カード株式会社 三井住友カード加盟店規約
株式会社ジェーシービー JCB加盟店規約
執筆者:山田麻耶
FP2級