働きやすい職場づくりで県から奨励金⁉人口減少が進む中“選ばれる企業”を目指して-

人口減少に歯止めがかからない中、企業が男女を問わず“選ばれる企業”として魅力的な職場へ変革できるよう、愛媛県は、女性活躍の推進や仕事と家庭を両立できる職場づくりの後押しをしています。その名も「ひめボス宣言事業所」認証制度。要件を満たし認証を受けると、県から奨励金が支給されるというものです。

まず「基本認証」は、企業側が女性活躍推進法などに基づく行動計画を策定することで認証を受けられます。

そして▼出産や育児で離職した女性の再雇用▼男性従業員の育休取得日数の増加など、要件を満たせば20万円の奨励金が支給されます。

さらに「上位認証」というのもあり、こちらは▼女性従業員の割合が国の定める平均値以上であること▼出産した女性従業員の80%以上が仕事を続けていること▼男性従業員の育休取得率が100%など、より高いハードルを達成した事業所には「スーパープレミアム認証」として奨励金100万円が支給されます。

この「スーパープレミアム認証」第1号となった企業は、どんな取り組みをしているのでしょうか。

仕事の“属人化”避けるため10年以上かけて…

愛媛県四国中央市に本社を置くジャスティン。パッキンやガスケットなどの工業部品の製造・販売を手がけています。

従業員は約100人。男性と女性の比率は6対4です。こちらの会社では、10年以上前から女性が子育てをしながらでもキャリアを描ける職場づくりに取り組んできたといいます。

ジャスティン株式会社 種田万葉取締役企画室長 「女性は責任感が強いので、自分の決められた仕事は自分1人でこなさないといけないという思いがすごく強くて、そうすると子どもを産むために休むこともできない。1つの仕事を少なくとも2人以上でできるようにしていこうという働きを、10年ぐらいかけてやってきました」

入社12年目の女性従業員(42)は、2016年に産休・育休を取得し、今は2人の子どもを育てながら働いています。

入社12年目 女性従業員(42) 「周囲の人の理解があって、大変取りやすい環境だったなと思います。復帰する時は不安はあったんですけど、一緒に働いている皆さんの迎えてくれる温かさというか、常日頃からコミュニケーションが取れていたんだなというのがより分かったような感じです」

子育てがしやすい環境にあると感じているは女性だけではありません。

2018年、社内で初めて育休を取得した男性従業員は…

企画室 課長(47) 「『いいんじゃないの?』というようなかたちで、周りの方が業務を調整してくださって、非常にありがたかったです。私が第1号で育休を取った時はまだそういう雰囲気がなかったですけど、今は男性育休をどうやったら取れるんですか、どういう風にしたらいいですか、という声が普通に出てくるようになっているので、非常にいい風土ができあがっているなと思います」

また、製造部の男性(45)も、去年第一子が産まれた際に1週間の育休を取得しました。

製造部 課長(45) 「おむつの替えとか沐浴とか、実際にやって大変だなと痛感しました。妻の助けになれて育休が取れて良かったです」

人繰りに余裕がない中小企業にとって、従業員が1人休むと代わりの人員確保が課題になりますが、ジャスティンでは業務の“属人化”を避けるなどして、休暇が取りやすい職場づくりを進めています。

ジャスティン株式会社 種田万葉取締役企画室長 「子育てだけではなくて、これからは介護の問題もありますので、そういう社員にも1対1で向き合いたいと思うし、それ以外にもバックグラウンドを持った人を受け入れられるか、乗り越えられる会社になっていけたら」

ジャスティン株式会社 種田宗司社長 「これから人口が減少する中で、何が大事かというと地域でいち企業が存在するのではなくて、地域の企業群が地域のことを真剣に考えて共に成長していく、そんな環境を地域でつくりあげたいと思っています」

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