「一歩を踏み込めた」くふうハヤテ“歴史的開幕戦” WBC投手ら相手に奮闘も…白星ならず

静岡県内初のプロ野球チーム「くふうハヤテベンチャーズ」が3月15日、NPBファームリーグ・ウエスタンリーグのシーズン開幕戦に挑みました。相手の先発は2023 年のWBC優勝メンバー・宮城大弥投手。歴史的な試合に申し分ない相手とあって、静岡県内外から駆け付けたファンからは大きな歓声が送られました。

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ホーム・「ちゅ~るスタジアム清水」で行われたウエスタン・リーグ「くふうハヤテ」の開幕戦の相手はオリックス・バファローズ。歴史的な瞬間を見届けようとおよそ1,631人の観客が駆け付けました。

記念すべき初戦の相手ピッチャーは2023年のWBCで世界一に貢献した宮城。1軍での開幕投手が濃厚なオリックスのエースが初回から、圧巻の投球をみせます。くふうハヤテの開幕投手は早川太貴。2023年まで北海道・北広島市の職員でした。

2回、早川は連打でピンチを迎えると、連続適時打で2点を先制されます。きょうの早川は毎回ランナーを背負う苦しい投球が続きました。4回、ランナー2人をおいた場面もストレートを狙い打たれ、3点本塁打。早川は4回7失点でマウンドを降ります。

くふうハヤテ、5回から2番手でマウンドに上がったのは静岡高校出身の竹内奎人。
群馬大学の医学部へ進学し、15日、医師免許の国家試験に合格した異色のルーキーです。竹内はランナーを背負いながらも、2回を無失点に抑える好投で流れを引き寄せます。

記念すべき球団初得点は6回でした。ランナー1塁で、代打・富山太樹、粘ってからの9球目を右中間へと打ち返し、1塁から俊足の瀬井裕紀が一気にホームイン。チーム初得点に大歓声が起こりました。

試合には敗れましたが、歴史的な一歩に観客からは惜しみない拍手が送られました。

<くふうハヤテ 赤堀元之監督>
「歴史の一歩を踏み込めたのはすごく良かった。一つずつページを刻んで1勝を多くとれるようにやっていきたい」

<ウエスタンリーグ=ちゅ~るスタジアム清水>
オリックス 020 500 200=9
くふうハヤテ 000 001 000=1
【オ】宮城、東、阿部-若月
【く】早川、竹内、藤本-谷川、深谷
<本塁打>
山中(オ)

「くふうハヤテ」の開幕戦は観客にとっても待ちわびた瞬間でした。15日から公式グッズが販売され、多くのファンが買い求めました。

<男性ファン>
Q何を買いました?
「ユニフォームと福田選手のタオルです。基本的に野球を応援するときはユニホームを着ているので、こうやって着ることができて嬉しい」
<女性ファン>
「(グッズが)これからたくさん出ることを願っています。ガチャガチャとかあったら最高です」

静岡県内初のプロ野球チームの誕生は子どもたちの希望にもなっていました。

<清水ベースボールクラブ 望月涼司さん>
「清水に新たにプロ野球チームができてくれたので、そこに行くという目標が生まれたので良かったです」

<清水ベースボールクラブ 山杉晄汰さん>
「リーグ優勝を目指して欲しい」

一方で、以前から指摘されていた問題が目に見える形となりました。

<静岡市政担当 坂口将也記者>
「試合開始15分前です。球場内に確保されている駐車場は、ほとんど満車の状態となっています」

駐車スペースの不足が懸念されてきた「ちゅ~るスタジアム清水」。およそ1,600人の観客で駐車場はほぼ満車。試合は16日、17日も行われ、静岡市は両日ともに4,000人~5,000人の集客を見込んでいるだけに、JR清水駅から球場までをつなぐシャトルバスに観客を誘導できるかがポイントとなりそうです。

<静岡市スポーツ交流課 山野井伸吾さん>
「やってみてここが足りないということもあろうかと思います。トライ&エラーを繰り返しながら、いいものを運営ができるように我々としても下支えしていきたい」

シーズンはまだ始まったばかり。チームも野球を見るための環境も手探りですが、一緒に成長を楽しむのが良さそうです。

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