医療法人がストに損賠提訴 8400万円、組合側反発

 クリニックでの待遇改善を求めストライキをした男性組合員と労働組合に対し、運営する医療法人が約8400万円の損害賠償請求したのはスラップ訴訟に当たるとして、大阪地域合同労組が15日、大阪市で記者会見を開き、「組合つぶしの意図があることは明白で、不当だ」と訴えた。

 訴状などによると、男性(30)は精神科「ブレインクリニック」大阪院に所属。2022年10月、待遇や診療方針の改善を求め、同僚らと組合を結成し大阪地域合同労組に加盟した。団体交渉ではゼロ回答を受け、翌23年8~11月に大阪院や名古屋院で計6回、ストライキを実行した。

 クリニックは発達障害の専門外来をうたい、頭部を磁気で刺激する「経頭蓋磁気刺激治療(TMS)」と呼ばれる保険外の自由診療を患者に積極的に薦めている。

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