ラッパーのドレイク、観客殺到で10人死亡の事故の訴訟 供述「数百時間」でヘトヘト「関与なし」主張続ける

カナダ出身のラッパー・ドレイクが、2021年にトラヴィス・スコットが主催したフェスティバル、アストロワールドでの死亡事故に関する多くの訴訟から逃れるために悪戦苦闘しているという。米ヒューストンで開催された同イベントで観客がステージに殺到し10人が死亡し数百人が怪我を負う大事故が発生、サプライズゲストだったドレイクはハリス郡で提出された多くの訴訟に関して長時間供述を録取されたそうだ。

ビルボードによると、裁判書類に名前が挙げられてるドレイクは、同イベントの計画や主催団体に自分が全く無関係と主張しており、ただトラヴィスにステージに参加するよう頼まれた以外に何も関与していないとしている。

現在本名オードリー・ドレイク・グラハムことドレイクの弁護士は、同イベントの主催者側も、ドレイクが「いかなる計画にも関与していなかったことを認めていた」と指摘、またステージに出るまで、安全問題に関して全く知らなかったそうで、「ミスター・グラハムは安全に関する説明を受けていませんでした。群衆の制御に関する問題、観客らの怪我や死亡、14分間のパフォーマンス中及びその前のショーの停止命令に関して何も知らされていなかったのです」と記している。

そしてドレイクは当日、会場に午後7時30分に到着、人目の離れたトレーラーの楽屋に9時54分頃まで待機し、その後ステージに行くよう促され、「速攻でステージに上がり、14分間のパフォーマンスを披露、10時8分にはステージを出ました」と弁護士は続けた。

更にドレイクの弁護士は「供述録取の数百時間、数十万ページ」の中に、ドレイクの過失責任を問われる証拠は全くないとして、こう主張してもいる。「原告らはミスター・グラハムがフェスティバルの場所のデザインやレイアウト、フェスティバルスタッフや職員の能力や適切性、何かの危険性に気づいていたとする証拠は何もありません。ショーの停止権限など緊急時の対応に至っても知りませんでした」

そんなドレイク側の主張に、原告らは数週間以内に応じることが可能となっている。

一方主催のトラヴィスは以前、同事件に「完全に打ちのめされている」と告白、これからも常に思い出すだろうと話していた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

© 株式会社神戸新聞社