昨年12月の火災の影響で運休中の十島村営船「フェリーとしま2」(1953トン)の代替船として、伊豆諸島開発(東京都港区)の「あおがしま丸」(460トン)が14日、就航した。十島航路での運航は初めて。27日までの期間限定で、全4航海を予定している。
普段は東京港-伊豆諸島で貨物輸送を担う同船。今回の代替運航のため、八丈島から鹿児島までの約千キロを約40時間かけて移動し、12日午前、鹿児島港本港区南ふ頭に入港した。
としま2の運休期間、村民は三島村営船「フェリーみしま」や、民間の漁船を使った海上タクシーなどで移動。村によると、揺れの激しい海上タクシーは、高齢者や持病を持つ住民の多くが乗船を避けていた。
定員31人のあおがしま丸の運航で、村内七つの有人島に寄港しながら鹿児島-奄美大島を往復する従来通りの運航が初めて実現し、人と貨物の安定した輸送が可能となった。
14日午後11時半、24人の乗客と、生鮮食品や生活雑貨が入ったコンテナを積んだ同船が南ふ頭を出港。肥後正司村長は「高齢者など交通弱者の移動にとって頼もしい存在だ」と話した。